今回は日高山脈のある山で登山的探索。
道なき道をひたすら沢伝いに遡上。
エゾシカのものと思われるけもの道を歩き、深い藪をかき分け、流木の山を越え、大きな岩をよじ登り、ヒグマの存在に怯えながら・・・
到着した雪渓が残る地点
途中何度も引き返そうと思ったが、何か面白いものがあるはずと鼓舞しながら必死に遡上。
ここに到着した時は、帰りの体力残っていないくらい疲労困憊。
薬草とポーションを飲んで、少し体力回復させて探索開始。(回復魔法は使えません)
この雪渓付近にある石の下を物色してみることにした。
さぞかし興味深い高山性の生き物がウハウハ見られるだろう。
※ この場所は標高から亜高山帯
ルリマルクビゴミムシ(日高山脈亜種) Nebria shibanaii sakagutii
石の下から出てきたこの子の光沢の美しさに驚いた。
頭部と前胸背部は青緑色の光沢、上翅は藍色の強い光沢・・・某産地のオオルリオサムシの体色を彷彿させると言っても過言ではないだろう。
原亜種である石狩山地産の弱い青緑色の光沢とは雲泥の差。
こんなの石の下からひょこっと出てきたらテンション上がりますよ。
ただ、原色日本甲虫図鑑によると日高山脈亜種は光沢が赤紫色とあった。
疑問に思いつつ、帰宅して新たに撮影してみると・・・
左:♂ 右:♀
おや?見事に赤紫色の光沢。現地での撮影は朝の青空が反射したのか?
まぁイメージは変わるが、美しいから別に気にしません。
体長も原亜種よりやや大型。
雪渓付近の石下で複数見かける事ができたが、それよりも下流域の石下では全く見かけなかった。
夕張山地産は原亜種と同じ光沢だったので、日高山脈産も北部にいく(石狩山地や夕張山地に近づく)につれ光沢が弱くなり、小型傾向になるのだろうか?
機会があったら確かめてみよう。
メクラチビゴミムシの一種 Trechiama sp.
石の下から♀2個体得られた。
左の体長は5.5mm、右は4mm
明らかに体長差があるが、異種か同種なのかは分からない。おそらく誰も明確な事は言えないだろう。
メクラチビゴミムシはこれが面倒で、深くのめり込めない原因。
個人的にはガロアムシ探索の外道であるが、興味は捨てきれない。
アラメニセマグソコガネ北海道亜種 Psammoporus nakanei horii
これも石の下から得られた。
体長は4mmほど
弱い光沢、肩歯あり、後角が斜めに裁断状に弱く湾入する、間室はかるく膨隆するなどの特徴から本種と同定した。
このタイプのマグソコガネ類は小型な上に似たものが多くて紛らわしい。
過去に同定を諦めた個体もちらほら・・・
アラメニセマグソコガネ側面
エゾガロアムシは今回の目的ではなかったが、石の下から幼虫1個体得られた。
そろそろエゾガロアムシ分布域調査に取り掛からなくては。
ただし今回の探索地は体力的にキツイ度最大級なので2度と行かないだろう。
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雪渓を目指す
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