北海道に生息するクモガタガガンボは現在、チビクモガタガガンボChionea gracilistylaとニッポンクモガタガガンボChionea nipponicaの2種が分布・・・というのは前回の記事に記したので割愛。
前回は2タイプの雄について調べてみたが、今回は雌の違いについて調べてみた。
<上面>左:Aタイプ♀ 右:Bタイプ♀
雄同様、Aタイプが約3mm、Bタイプが約7mmと明らかに体長が異なる(産卵器を含まず)
が中間的な個体もおり、体色も主にAタイプは黒褐色、Bタイプは黄褐色となっているが、雄同様、体色に関しては個体差や変化がある。
そのため体長や体色の違いは決定的に区別できる要素とはいえない。
<側面>上:Bタイプ♀ 下:Aタイプ♀
大きな差が見られない。
もちろん、体長と体色以外ね。
Aタイプ♀腹部拡大
雄に確認できた第2~4腹節背板の凸状突起が確認できない。
強いて言えば、第4腹節背板に僅かに張り出している部分があるように見えなくもない程度。(白い矢印部分)
Bタイプ♀腹部拡大
各腹節背板前縁部に2ヶ所の窪みがあるが、これはAタイプにも確認できる。
要するに雄のような顕著な違いがない。
<産卵器>上:Bタイプ 下:Aタイプ
Aタイプの産卵器上弁はBタイプよりやや長く、上に反る。
Bタイプの産卵器上弁上部に小さな突起(黒い矢印)が見られた。
Aタイプには同様の突起がないと思ったが、写真のAタイプ産卵器は少し手前に傾いており、よく見たら同じ個所に小さな突起のようなものがある。
雌だと決定的な外見上の違いを見つけることはできなかった。
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北海道のクモガタガガンボ♀についての中途半端な詳細(改)
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