今年も残りわずか。
毎年の恒例である今年の探索・飼育を振り返ってみた。
9月は身内に不幸があったため、予定していた探索ができず、例年と比較して探索数もかなり少ない。
秋以降に探索の重点を置いていたため成果も乏しい。
主な成果は以下に記すが、あくまでも自己満足的な評価なので、これに共感できる人は極めて少ない事を今のうちに言っておきましょう。
『エゾガロアムシの確認例がない天塩山地にて生息を確認した事』
※ 天塩山地は赤いガロアムシの地域。緑のガロアムシ地域は既生息確認地域。
本当は他にも未確認地域の何ヶ所か探索を予定していたが・・・
地道な作業だが、毎年少しずつ生息域を判明させて広げてはいる。
ここまでは想定内。
地図を見ると、まだまだ空白地帯がある。これからが難航必至であろう。
来年も引き続き空白地帯を埋めていく活動をメインとした探索にする予定。
※ 地図は国土地理院HPから地図を加工して作成
『ムイネチビゴミムシを掘り出した事』
本種に関しては、半ば諦めていたが、シーズン終盤になって会心の一撃的成果。
興味の問題はさておき、本種を掘り出した人は何人いろだろうか・・・
札幌に生息する昆虫の中でもトップクラスの珍度である本種を採集できたことで、「これで札幌に未練はない。いつでも札幌を去ってもいい。」と思ったくらい。
しかし・・・→expert modeへ(意味深)
『アケボノマイマイを見つけた事』
簡単に見つかると思っていたが、かなり手こずってしまった。
見た目は「ヒメマイマイの地域変異のひとつ」なので、苦労して見つけても感動がうすい。
もしかしたら今後の研究でヒメマイマイの1地域変異となる可能性もあるので、そうなると更に感動が減少・・・
それでも環境省レッドリストでは準絶滅危惧種に指定されており、擦れた個体でも撮影できたことは一応良かった。
マイマイは他に数種探し出す予定だったが、これも断念。
来年以降の課題か。
『新種と思われる謎の無翅ハエに翻弄された事』
これに関しては全く有力な情報なし。こんなハエ見たことがない。
好蟻性のノミバエが近いのかと思われるが、翅は短翅ではなく完全無翅で、今の時点ではなんとも言えない。
ハエ既知種の異常型ではないと思うが・・・。
そのためにも追加採集して、少しでも詳細を調べたかったが、見つからないこと山の如し。
これは来年以降の課題。
今後は好蟻性の場合も考慮して、採集地のアリの巣も念入りに探さなくてはいけない事を考えると、面倒でイマイチ気が乗らない。
そもそもこの子を見つけた石の下が、アリの巣またはその近くだったかどうかが思い出せない。(覚えてないという事は特別に変わったことがないという事なので、アリの巣ではないかも)
顕微鏡を新調したいのは、このハエの細かい部分を観察したいため。
資金の寄付は「生き物研究室基金」まで!(おいおい・・・)
『エゾガロアムシの亜成虫から成虫の過程が判明できた事』
飼育の目ぼしい成果と言ったらこの程度か・・・
昨年の飼育で曖昧だった点が解明できた。
意外に飼育中のエゾガロアムシを脱皮させることは、神経を使うのです。
これでエゾガロアムシ飼育目的をほぼ果たすことができた。
来年は目的をかなり絞って、重点的にかつ念入りに探索していきたいと計画中。
目標:脱線は極力しないようにする!
だそうです。
今年の更新は今回で最後!
本年も当ブログと「生き物研究室」をご覧頂きありがとうございました。
来年もみなさまに(特に自分に!)探索神の加護があらんことを
※ 喪中につき新年のご挨拶を失礼させていただきます。
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探索回顧録(2014年)
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