久々の更新。
今年の旭川は降雪が多い。というかそんなレベルじゃない。
それなのに道路の除雪をろくにしてくれないどころか、排雪せずに道路脇に寄せるだけなので、道幅が異常に狭くなり車1台通るのも一苦労。対向車との鉢合わせでどうすることもできなくなり、うかつに停車するとスタックするというひどい状況。
除雪予算がないのかね・・・ホント住みづらいよ旭川。こんなことだと益々旭川の人口減るね。
というわけで、探索に行きたくとも行けない。
おかげで、仕事以外に外出しないのでネットゲームがいい具合に進む進む。
今年は雪解けかなり遅そうだ。そのため生物の発生などに大きな影響を与えると思われ、今シーズンの探索が予定通りにいかない可能性が出てきた。
以前もこんなことがあった。
ヒダカチビゴミムシ Masuzoa notabilis notabilis
撮影の練習・・・納得いかない。
春になったら新調したカメラで水中撮影に挑戦してみようかな。
不毛の年の予感
ぽかぽかタイム
この日は、ぽかぽか陽気の探索日和。
昨日が仕事休みなら、北見に行ってカーリングのパレード見に行きたかったのだが・・・
雪はまだまだ多く、昨年ウチダザリガニを駆逐したポイントは深い雪の下。
昨年の今頃は、ポイント周辺の雪は融けて地面が一部見えていた。
やはり今年の春は遅いかもしれないが、これから太陽の挽回に期待。
大雪の影響か、豪快に折れた木がちらほら。
中途半端な有翅型のクロカワゲラの一種
ここでは長翅種が普通で、写真の個体とは別種かと思われる。
後食する無翅種は見かけた事がないので、次回は場所を変えてみようかね。
もしかすると無翅種は石狩低地帯以東に分布していない可能性もあるので、そこのところも含めて調べてみようかと思う。
ミドリシジミの卵
ハンノキにて。
旭川市付近のセッケイカワゲラ
晩秋から早春に現れるセッケイカワゲラ(クロカワゲラ属の一種)
石狩低地帯以東~石狩川北側の何ヶ所かでちょっと調べてみた。
見つかったのは長翅種と短翅種の2種のみで、無翅種は確認できなかった。
<旭川市産>
背面 左:♂長翅種 右:♂短翅種
体長は2種とも差はなく、雄で6~7mm、雌は雄より大きい。
大きな差は翅の長さで、興味がなければ同種の変異と思うだろうが、前胸背部の形状もよく見ると違う事が分かる。
腹面 左:♂長翅種 右:♂短翅種
長翅種の前胸の形状は四角形で、短翅種は前胸前縁が短く、形状は丸みを帯びた台形。
微妙な差だが、これも重要。
上:♂長翅種 下:♂短翅種
肛上板の柄(矢印部)の形状は、長翅種は細くて先端が尖る。歪で繊細なイメージ。
短翅種は太く、先端付近で「くの字」に折れ曲がる。がっちりしたイメージ。
肛上板の柄より前部にある突起は、長翅種では先端部がしゃもじ状に幅が広がる。
これらの差は決定的だろう。
<沼田町産>
左:♂長翅種 右:♂短翅種
旭川市産と差はない。
左:♂長翅種 右:♂短翅種
旭川市産と差はない。
ここの産地は、赤いダニが付着している個体が多かった。
見た感じ、しがみ付いているのではなく、噛みついているようなので体液を吸うタイプか?
この時期、どのタイミングで付着するのだろうか?
上:♂長翅種 下:♂短翅種
旭川市産と差はない。
この地域に分布する2種は別種であることが分かった。
札幌で調べた結果と変わらず。
次回はもう少し範囲を広げて調査してみようと思う。無翅種はいるか?
ぽんぽこタイム
エゾタヌキ
生きている個体を初めてまともに(?)撮影できた。
夜間にはよく見かけるが、昼間見かけてもカメラの準備をしているうちに逃げられていた。
あとはロードキル・・・
芦別市にて。
いい具合に形成された融雪プールを見つけたが、エゾアカ・エゾサンの卵はなし。
今年は積雪量が多いが、ぽかぽか陽気が続き融雪が進んでいるので、産卵が読めない。
芦別市にて。
芦別市~夕張市のセッケイカワゲラ
今回は石狩低地帯以東~石狩川南側の地域を調査してみた。
<夕張市産>
石狩低地帯に近い山地であるが、西側の札幌方面の山地とは30~40kmほど離れている。
ここで見つかったのは長翅種の1種のみ。
背面 左:♂ 右:♀
体長は雄7mm、♀9mm
写真では雄の翅がしわになっているが、本来は真っすぐ伸びている。
腹面 左:♂ 右:♀
雄の腹部側面
肛上板(矢印部)の形状は、旭川と深川で確認した個体と同じであることから、それらと同種と思われる。
<芦別市産>
背面 左:♂ 右:♀
体長は雄4mm、♀5mm
雄は極短翅型だが、雌は長翅型。フユシャク類と翅型が逆なのが面白い。
雌に飛翔能力があるなら、隔離せず分布域を拡散しやすい。
腹面 左:♂ 右:♀
写真では分かりづらいが、中胸腹板刺状板に腕状節片を確認できた。
雄の腹部側面
肛上板は太く膨らんだ形で、その前部にある突起も特徴的。
以前、札幌で調査した際に確認した極短翅種と形状が同じことから、同種と思われる。
その時は雌が長翅型であることは分からなかったので、これは大きな成果となった。
前回の旭川調査
2014年札幌調査
ちなみに研究が進んでいない分野なので、これらが記載種なのか不明。
今回の調査でも無翅種の確認はできなかった。
石狩低地帯が無翅種にとって、それほどの障害なのか個人的には疑問だが・・・
ただ広範囲で詳しく調べたわけではないので、分布していないとは言い切れない。
春到来宣言2018
エゾサンショウウオの産卵を初確認。鷹栖町にて。
卵の状態から前日産卵されたものと思われ、昨年が同場所で15日初確認なので、大雪だった割りには生き物に影響はないかと思ったが、昨年道路脇に咲いていたエゾエンゴサクやフクジュソウは全く咲いていなかったことから、影響大ありだ。
結局、見つけたのはこの卵嚢のみで、エゾアカガエルはなし。
他の場所は、まだ雪解けが進んでいないので、来週あたりがピークか。
初の水中撮影に挑戦
ピント合ってなかった・・・
おまけ
クジャクチョウ
探索神に祝福されている私が撮影すると、接写しても逃げないのである(?)
という訳で・・・
エゾサン産卵を確認したので、春到来を高らかに宣言いたします。
融雪プール開き
今回はサポート依頼による石狩のカシワ林でのキタホウネンエビ探索。
今年は発生しているだろうか・・・
発生はその年の融雪プールの形成状況、生育状況は気温水温などに大きく左右されるので、現地に行って玉砕することもしばしばある。
しかし、依頼を受けたからには、わが探索神の加護を最大限に発揮し、成功に導かなくてはならないのだ(ちなみに一昨年失敗している)
天気は曇り、気温は肌寒い。
融雪プールはいい具合に形成されていた。
今まで確認してきたポイントでは発生していなかったが、なぜか今まで確認できなかったプールで確認できた。
しかも、ひと網くぐらせるだけで多数入るほど大発生している。
成体にはもう一息といったサイズ。
水中撮影にも挑戦したが、まともに撮影できたのはこれだけ。
曇りだし、水中は赤褐色に濁っているので、ピントを合わせるのが難しい。
何度撮影を試みても、底の落ち葉などの背景にピントが合ってしまう。
紆余曲折あったので、今回ほんと発生していて良かった。
陳腐のつどい
前回、石狩のカシワ林内の融雪プールでキタホウネンエビ探索した際、ついでに何か珍な小型のゲンゴロウなど(5mm以下限定)がいないか探してみた。
特に多かったのはケシゲンゴロウ。
あとは・・・
コツブゲンゴロウ Noterus japonicus
陳腐種なんだって。
上の2個体:ツブゲンゴロウLaccophilus difficilis
下:コガシラミズムシ Peltodytes intermedius
両方とも陳腐種なんだって。ダメだね。
シマケシゲンゴロウ Coelambus chinensis
珍なんだって。ホントかよ?
カラフトシマケシゲンゴロウではないようだ。
エゾセスジガムシ Helophorus matsumurai
似た種でクロセスジガムシがいる。
体長が4mmほどで、やや大きい気もするがたぶんエゾセスジガムシだと思う。
エゾセスジガムシなら陳腐種なんだって。
水中の枯れ葉とほとんど同色で、しかもゲンゴロウのようにピャンピョン跳ねず目立たないので、網に入っても気付かなかった個体がいる気がする。
数年前、たくさん捕獲したことがあるが、こんなに探しづらいものだったっけ?と思ったり。
なんだ?この貝。
殻高3mmほどの小さな白い巻貝。
下の貝の幼貝なのか?
これも白い貝で、カワニナ風。殻高5mmほど。
複数確認したので、水棲であると思われる。
貝は専門貝・・・もとい専門外なので、これが何者かわからない。
では何が専門なんだ?と聞かれると、それはそれで困る。
渡島半島のセッケイカワゲラ
先日、ある目的のため来道された大八木さんに無理を言って、通過予定の渡島半島のセッケイカワゲラを採集してほしいと依頼した。
目的は、3種とされる北海道産のセッケイカワゲラ(無翅)を全て確認すること。
時期はかなり遅く、標高のある峠でもほとんど雪が残っていない状況であったにもかかわらず、見事に採集して頂いた大八木さんには感謝いたします。
以下がその結果。
産地は渡島半島を徐々に北上している。
<上ノ国町>
左:♂8~10mm 右:♀11~12mm
雌雄ともに大型で、札幌で確認した個体よりも大型であった。
雄の肛上板基部の柄はとても長いのが特徴。
背面の刺状板には腕状節片があった。
特徴からこの個体は、エゾユキクロカワゲラ Eocapnia yezoensis と思われる。
北海道に分布する3種のセッケイカワゲラ(無翅)で、唯一記載されて和名のあるのが本種。
セッケイカワゲラ類の研究は進んでいないので、そもそも北海道には3種しかいないのか、3種は本当にそれぞれ別種なのか・・・疑いを払拭できない。
<北斗市>
左:♂約6mm 右:♀7~9mm
上ノ国町産よりやや小型
雄の肛上板
基部の柄は長いが、肛上板は上ノ国町産と比較して細い。
Eocapnia yezoensis の変異と思ったが、背面の刺状板には腕状節片を確認できなかったので、札幌で確認した未記載種と同じと考えるが自信はない。
このように曖昧な個体がいるから、本当に3種に分けていいの?って疑ってしまう。
貴兄はどう思われるだろうか。
ちなみにこの産地では、もう一種の未記載種(以下の八雲町と同じ)が混生していた。
<八雲町>
左:♂5~7mm 右:♀7.5~9mm
北斗市産とサイズ範囲は似ているが、小型が多かった。
肛上板基部には柄が無い。明らかにEocapnia yezoensis とは異なる。
背面の刺状板には腕状節片を確認できなかった。
これはもうひとつの未記載種だろう。
これで3種とされる北海道産のセッケイカワゲラ(無翅)を全て確認できたので、目的を達成することができた。
時間のある時に「生き物研究室」の方で、まとめて公開しようかと思ったり。
アリ退治
自宅の庭にて
最近は庭の雑草除去などの作業が日課で、ストレス解消になっている。
敷石を移動されると、その下にアリの巣あり。
クロヤマアリだろう。写真の大型アリは女王。
このアリは、庭に植えてあるハスカップに群がるアブラムシを護衛するので、これを機に女王を粛正。その後、巣に蟻用殺虫剤噴霧。
わが庭に平和が訪れた。
この蟻は昔から庭で見かけるが、アメイロアリだろうか・・・
植木の中に巣を作ったりする厄介者だ。
女王がいた。
つかんで遠くへバシルーラ!
わが庭に平和が訪れた。
冬期宿泊客
自宅の庭にて。
オツネントンボ
数個体が庭で越冬しており、年々増えているような気がする。
一体どこからやって来るのだろうか?
わたしが子供の頃は見かけなかった事を考えると、かつて異臭漂うドブ川だった近所の川が環境が良くなってそこで繁殖しているのかもしれない。
小型のセンサーがあれば、取り付けて産卵場所を探し出したいところ。
あと、うちで越冬するなら宿泊料を徴収しなくてはならない。
ちなみに、かつてアマガエルは庭にちょくちょく現れたが、寂しいことに今はいない。
ハエトリグモ選り撮り見撮り
自宅の庭は、なぜかハエトリグモの種類が多い。
どれも種類は分からない。調べてもいない。
ハエトリグモはクモの中では肢が短いので気持ち悪さが半減され、動きも可愛いので女子高生にも人気だ(ウソ)
そこで、自宅の庭で見かけたハエトリグモを見つけ次第撮影してみた。
ハエトリグモ1
透明感のある淡黄色の種。
ハエトリグモ2
白髭さん。犬で言えばミニチュア・シュナウザー。
ハエトリグモ3
この子も白髭さんだ。
お尻から出ている糸は、運命のクモに繋がっていると言ってました。
ハエトリグモ4
この子は警戒心が強く、少しでも近づくと壁裏の隙間に逃げ込む。
しばらく待っていると出てきて、小さなハエに飛び掛かって捕獲した。
そしてわたしの気配を感じると、また壁裏に隠れ、次に出てきたときに食べ終えた餌を放り投げた。
4の正面
属性は闇だろう。
ハエトリグモ5
この子は初見か・・・な?
なかなかお洒落な模様で派手。
5を正面から撮影すると意外な発見。
肢の側面が蛍光色の青色で、熱帯魚的な美しさがあった。
まだ庭に潜むハエトリグモがいるかもしれない。
牛歩探索
石狩山地(大雪山)以東のガロアムシの分布はどうなんだろうか・・・
それを昨年から調べているが撃沈続き。
今回も「おけと湖」付近を探してみたが、生息していそうな環境(沢脇の斜面に空隙のある礫層やガレ場)が全然見つからない。
無駄と判断し、早々に移動。
これでも譲歩したつもりだったが、さらに譲歩して大雪山に近づいて探してみることにした。
大雪ダム
この時期、雪解け水が流れ込むので湖は美しくない。
残雪ある石北峠の東側にある沢
一目見て、ガロアムシがいると確信。
やはりこういう環境じゃないと。
「ここだ、ここだ、ここがあやしい!」
小瓶の中のルースが騒ぎ出した!(誰?)
掘り始めて直ぐに降臨した今年初ガロアムシ。
掘り出しても不思議でないエリアではあるが、自分にとって北海道最東部生息地更新となる。
この後、数個体得られ、見た感じ大雪山東側の個体と同じタイプのようだ。
問題はここから東。分布が極めて怪しいエリアなので、苦難の探索が予想される。
あとは隔離分布している生息地を期待したいところ。
側溝エクスプローラー2018
エゾハルゼミがちらほら鳴き出し、新緑の季節となった旭川。
本日も夏日で絶好の探索日和。
明日から気温が下がるらしいので、諸事情で希望休を取っていて良かった。
側溝エクスプローラーたるもの側溝探索は野外探索の始まりとしてふさわしい。
車から降りると、早速無数のブヨが歓迎の意を示す。わたしもそれらを叩き落して歓迎に応じる。
(ちなみにブログに「ブヨ」を書くとアクセスが増える珍現象がある。ブヨに興味ある人多いんだな・・・と思う今日この頃。このブログだけなんだろうか?)
側溝内には、アトマルナガゴミムシであろうゴミムシ達とヒラタシデムシが現れる。
エゾマイマイとヒメマイマイのカタツムリ類も多かった。という事は・・・
エゾマイマイカブリ
毎年のことだが、今年初のオサムシとなった。
キタオオルリオサムシ
この辺りはこの色ばっかり。キタオオルリオサムシで青系見てみたい。
ちなみに上が雄で下が雌。
下はおまけ
側溝脇に生えていたアザミにいたアオカメノコハムシ。
食痕がなければ、存在に気付かないでしょ。
キイチゴの葉にはシロオビナカボソタマムシがわらわらいた。
タマムシ類は気軽に探し出せない種が多いが、本種は探索にやさしい良心的タマムシだ。
独裁的な庭の統治
自宅の庭にて。
今年もツツジの葉にヒメクロオトシブミが現れた。
今年は数が多く、後食された痕と揺籃が目立つ。
今まで恩赦で生息許可を与えていたが、食害が酷いので駆除を考えている。
とは言え、近所にはツツジを植えた庭が多く、駆除しても意味はないだろう。
昔はいなかったのに、どこからやって来たのやら・・・
揺籃はこんな感じ。
5~8mmくらい。
卵は1mm程度
わたしが食べるには小さすぎる。
この後、ツツジにはイラガが発生する予定。
オトシブミだけを特別扱いしてはいけないとイラガに告訴されかねないが、イラガは許さない。
それなのにアケビコノハは許すという理不尽な裁き。
次章へ
今回は東大雪と阿寒の山地の中間部にある陸別町でのガロアムシ分布調査。
ここでの確認の有無で、今後のガロアムシ探索の方針が変わる重要な探索と言える。
この日の天気予報は雨。
小雨ならブヨも出てこないし、気温も低いのでこの時期は歓迎だ。
数日前、38度以上の熱を出し、会社を早退して病院で点滴を受けてきたので、体力面でもバッチリ。(?)
な、なにぃ!人類はいつの間にワープ技術を開発したんだ!
よし、東北へ行くときはここを通ればいいだろう。
途中で通過した置戸町にて
人が訪れない山奥の林道をひたすら走り目的地到着。
意外に川幅が広かった。
エゾハルゼミも鳴かない雨天。ブヨが群がらないのはいいが、雨具を着用しているので蒸れる。
怪しい斜面を発見。
雨天は地面が濡れるので、どの斜面も怪しく見えてしまうのが難点。
ちょっと掘ると、レンガ色というかピンク色っぽい層が出てきた。
なんだ?ここの地質。ここ大丈夫か?
たまに出てくるハチ。
晩秋、集まって礫層内で越冬しているが、これが出ると良い結果が出ない事が多いので、ハズレバチと呼んでいる。
ただ、環境としては最適で、ナガコムシもちらほら出てくるので、可能性ありと信じ掘り続ける。
エゾガロアムシ掘り出し成功。
若齢幼虫がたくさん出てくる。
経験上、若齢幼虫がまとまって出てくるときは、近くに産卵したと思われる雌成虫が出てくる事が多く、成虫はその1個体しか出ない。
やはり出た雌成虫。
そしてその後、成虫は出てこなかった。
この探索で、さらに分布域を広げることができ、今後の分布域拡大に期待が持てる結果となった。
次回から、更に遠い未確認地域へ遠征予定。疲れた・・・
蛮勇探索
今回は、知床方面へガロアムシ分布調査。
厳密には知床半島ではなく半島の付け根付近で、同じ山塊に位置する。
見た目は生息していそうな環境なので期待膨らむ。
この日は霧雨、気温は低い。
あちゃ~
少し掘ると、ハズレバチ登場。嫌な予感。
それでも水際の石の下にはルリマルクビゴミムシがたくさん見られた。
この辺の個体群は瑠璃色の光沢はなく全体的に黒色で、亜種Nebria shibanaii shiretokoanaとされる。
数は少ないがキタツヤシデムシも発見。(写真中央はチビシデムシの一種)
知床方面まで分布しているようだ。意外に分布域広いね。
しかもあの無翅ハエの一種である個体(別種)も発見!
大雪山でお馴染みの面々が生息しているという事はガロアムシもいるはずだ。
結果・・・でなかったよ( ノД`)シクシク…
見た目は良さそうな環境でも数センチ掘ったら直ぐに硬い岩盤にぶつかってしまうのは致命的。
空隙も少なく、礫間は粘土で埋め尽くされているので、生物が入り込めない。
ただ、ガロアムシは生息していないと断言できないので、以後場所を変えてちょくちょく挑戦しないといけないと思ったり。
帰りは北見市瑠辺蘂にある塩別温泉で疲れを癒す。
探索の後の温泉は格別だ。
産卵場所の選択
先日の知床探索にて。
普通に流れる沢にエゾサンショウウオの卵があった。
流水域に産卵する事はまれに見られ、やや流れが緩やかで水深のある場所で、主に岩の窪みや隙間に産卵される。
この沢では、そのような場所にかなりの高確率で産卵されていた。偶然ではないようだ。
この辺りに産卵に適した止水域がないのか、それともここの個体群はそのような場所に産卵する傾向にあるのか?
この状況を見て貴兄はどう思われるか?
こんな流水域にはエゾアカガエルは産卵しないので、重要な餌が供給されない。
(エゾアカの成体は付近で見かけた。)
カゲロウやカワゲラ幼虫などの水棲昆虫を餌にするか、共食いするしかない。
天敵となるマス類を見かけたので、孵化した幼生にとってかなり過酷な環境になるだろう。
育てよ!ハネ
先日の知床探索にて。
沢の水際にある石の下で、シレトコマルクビゴミムシ(ルリマルクビゴミムシの1亜種)に混じってあの「無翅ハエ(未記載種)」っぽい姿が。
早速捕獲。
体長は3mmほどで、今まで確認してきた無翅ハエよりは大型。
なにより大きな違いは、中途半端に短い翅があること。おそらく別種(未記載種かは不明)だろう。
この翅では飛翔はできず、飛び跳ねて逃げることしかできないが、ハエなので俊敏。捕獲は容易ではない。
腹部が大きいので雌か。
育てよ!ハネ2
沢脇に落ちていた新しいエゾシカの糞に寄ってきた謎なハエ。
翅が不完全であるが、こういう種なんだろうか?
見た感じ、元気に歩き回っていたが、俊敏という訳ではなかった。
例え奇形だとしてもトンボやチョウとは違って、飛べなくてもなんとかやっていけそうな気がする。