昨日の札幌は30℃近くまで気温が上がった。
ここ数日で急に暑くなったものだから体がついていかない。
も~にゃも暑いんだって。
今日のも~にゃのぶちは「キノコ」の形。
ぶちきのこ
原点ポロリ
エゾハルゼミが鳴き始め、ブヨが大量に群がってくる今日この頃。
先日、依頼探索があった際、ついでに側溝を覗いてみた。
連日、晴れで気温が高く、側溝内は乾燥していたので、あまり期待はしなかったが、落ち葉溜まりからあの光沢がポロリ。
オオルリオサムシ(札幌産)
見慣れた色彩と光沢の産地だが、ここは自分にとって側溝探索の原点。
なので見つかるとやっぱり嬉しい。
拒食返上
拒食状態であったウスタビガの幼虫。
エゾヤマザクラ、イタヤカエデ、ミズナラ、キタコブシの葉を与えたが全く食べる様子がなかった。
最後にキタコブシの葉を与えたまま数日経過(放置)
え!?た、食べてる!
この卵を見つけた場所周辺にはキタコブシはないのに何故この葉?
この後に他の葉も与えてみたが、やはり食べない。
ということはこの子、野外で孵化してもそのままのたれ死ぬ運命だったのでは?
かなり衰弱していたが、今はすっかり元気に成長している。
よりにもよって一番採取しづらいキタコブシを選ぶとは手間のかかる子だが、運のいいことに職場の庭にキタコブシがあるので、こっそり少しずつ拝借していこう。
手間のかかる子ほどカワイイという事である。
跳躍する小さな黒色
札幌市内某所の花壇にて。
ぼけ~っと、歩き回っているアリを見ていたら、急に飛び跳ねる個体が現れた。
アリが跳躍するはずもなく、ヒシバッタと見間違えたかと思って再確認すると・・・
ノミバッタ Xya japonica
生息地は水が少々流れ込んで地面が湿りがちの花壇脇。
探せばワラワラ出てくるくらい個体密度は高いが、湿った場所から離れると見かけなくなるので、かなり限定的に集中して生息していると思われる。
札幌市内でこんなに高い密度で見られる場所があるとは驚きだったが、この場所は私有地で関係者以外は採集はおろか撮影すらできない場所。(自分は関係者なので自由)
想定外だったのでカメラがなく慣れないiPhoneで撮影。
納得いかないので、後日撮影し直す予定。
偽物はどれ?
この北海道で撮影した瑠璃色で和名にも瑠璃(ルリ)の名が付く昆虫達9種。
<上段>
左:オオルリオサムシ 中:ルリクビボソハムシ 右:ルリツヤハダコメツキ
<中段>
左:ルリハナカミキリ 中:ルリクチブトカメムシ 右:カラフトルリシジミ
<下段>
左:ルリエゾガロアムシ 中:イイジマルリボシヤンマ 右:ルリマルクビゴミムシ
さて問題。
この中に実際に存在しない昆虫(写真加工)がいる。どれだ?
野鳥宅訪問(無断)
ある湿地を探索していたところ・・・
葦原に入った途端、野鳥が騒がしく鳴き始めた。
ノビタキの雌っぽい。
ふむ、どうやら近くに巣があるな。
構わず探索していたら、1mくらいの距離で威嚇。
ふむふむ、わたしの足元に巣があるな。
分かりやすいよ、君。
足元の枯れたスゲの茂みに怪しいトンネルがあり、覗いてみると案の定、巣があった。
親鳥の教育は行き届いているらしく、雛たちは縮こまって沈黙を守っている。
これ以上、迷惑はかけられないので、さっさと撮影して早々にこの場所を離れた。
この後、シギに威嚇される。
時期的に巣だらけ。
価値の暴落
先日、ノミバッタを見つけた私有地にて。
畑の使用する堆肥にカブトムシの幼虫がたくさんいるのだと言う。
どうせちょっと大きなコガネムシの幼虫を間違ってそう言っているのだろうと信じていなかったが、念のため確認してみることにした。
おがくずの堆肥
ほじほじ・・・
ほじほじ・・・
うわっ、出た!カブトムシの幼虫だ・・・
しかも数も多そう。
畑の肥料にするので幼虫は邪魔だという。堆肥場から強制退去でポイされる運命らしい。
甥っ子がカブトムシの幼虫の飼育に興味があるなら、数個体確保しようかね。
そう言えば、カブトムシって今もショップで売っているのだろうか?
北海道でもすっかり定着してしまったので、価値が暴落しているね。
in the moss
苔はいい。種類には詳しくないが、風情があり見ていると落ち着く。
今回はそんな苔が生える環境に生息する昆虫(ゴミムシ)を探してみた。
想像通り、全てミズギワゴミムシの一種だったが、なかなか面白かった。
苔も日陰で湿った場所や、日当たりが良く水辺に近い場所に生えているものなど環境に若干の違いがあるが、共通するのは多湿(水分の供給がある)であるということ。
このような水辺に近い場所はミズギワゴミムシ類が潜んでいたりする。
クリイロコミズギワゴミムシ Tachyura fumicata
もしくはウスモンコミズギワゴミムシ Tachyura fuscicauda
体長2mmほどの極小ゴミムシ。
体色が赤褐色なので、一見チビゴミムシの一種であるかと思うような風貌。
日陰にある湿った厚みのある苔を好むようだ。
小さいが個体数が多いので、ひと塊の苔からたくさん見つけることができ、ある意味一番目立っていた。
ウスモンミズギワゴミムシ Bembidion cnemidotum
体長4.5mmほど。
写真では分かりづらいが、上翅末端付近にぼんやりとした斑紋がある。
カギモンミズギワゴミムシ Bembidion pohlei
体長4mmほど。
上翅末端にコンマ状の斑紋がある。
このように上翅に斑紋があるミズギワゴミムシは多く、サイズも斑紋の形も似ているので区別が面倒に感じてしまう。
ウメヤルリミズギワゴミムシ Bembidion umeyai
体長4mmほど。
青色の金属光沢があるプチ美麗種。
走光性が強く、光を当てると直ぐに飛翔するため、室内での撮影は困難だった。
しかも光を上手に当てないと綺麗に輝いてくれないため、杜撰な照明で撮影すると単なる黒いゴミムシっぽくなる。
偶然発見した事だが、耐寒性が低いらしく、冷蔵庫に数時間入れただけで衰弱したのは興味深かった。(一緒に入れた他のミズギワゴミムシ数種は問題なかった)
北海道RDBで希少種に指定されているが、最近詳しい生息環境が判明したおかげで見つけやすくなり、各地で新産地が見つかっているようだ。
今後、各地で生息地が見つかると予想され、希少種でなくなる日も近いかも。
ついに出版
学研から「日本産直翅類標準図鑑」がついに出版された。
「日本産直翅類標準図鑑」
町田龍一郎氏 監修 日本直翅類学会 編
直翅系昆虫であるバッタ、ハサミムシ、カマキリ、ナナフシ、ゴキブリ、ガロアムシなど不人気昆虫を惜しげもなく網羅した超マニア垂涎の一冊。
(バッタに関しては以前「バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑」が出版されているので、その後の最新知見などを補足的に掲載している)
死ぬと色褪せしやすい種であるが、写真は生体色が残る死亡直後の撮影なので、とても美しく、本来の色彩で表現されているため同定などでも十分に参考になる。
超マニア(ガロアムシ屋)のわたしも微力ながら数種に関して協力させて頂き、わたしの知見(情報)も少々反映されているみたい。
気になる価格はなんと、ごまんえん!(5万円)
さすがに高価なので気軽に買って下さいとは言えないが、直翅系昆虫に興味のある方なら購入して損はしない。
個人的にはエゾガロアムシの欄でもう少し追加してほしい内容があったが、これを掲載する事になると、他種についての内容も増やすことになり、結果膨大なページ数になり兼ねないので仕方がない。
最後に・・・この図鑑を見るとゴキブリが格好良く、そして美しく見えてしまうところがスゴイ。
大の次は小
先日、ノミバッタやカブトムシの幼虫が多産している某私有地にて。
カブトムシ幼虫がいた堆肥場近くにブルーシートに覆われている山積みになったおがくず堆肥があった。
さすがにシートに覆われているので、目ぼしいものは潜んでいないと思いつつも試しに掘り掘りしてみることにした。
コカブトムシ♂ Eophileurus chinensis
いきなりこの子が出てきた。
北海道ではちょっとした珍虫なので、意外な出没に驚いた。
急にテンションが上がり、もっといないかと更に掘り掘り・・・
♂×3 ♀×2 計5個体
結構出てきた。
この私有地スゴイな。
ちなみにこの山積みされた堆肥はこの後畑に撒かれて今は跡形もなく、カブトムシ幼虫がいた畑の堆肥は耕耘機(家庭用)が入り、情け容赦なく全滅。(前もって確保していた甥っ子にあげるための4個体以外は)
1種独占土場
ある探索の帰り、土場を見つけた。
時期は早そうだが、何かいるかもしれないので調べてみる事にした。
広葉樹各種の木材が積まれており、針葉樹はなし。
材は比較的新しいが、少々土砂が付着して汚れており質が悪い。
先日の強風で倒れ、川に流された木々を伐採したものだろうか。
シロトラカミキリ
毎度おなじみ超陳腐種
一体何個体いるんだというくらい集まっていた。(少なくとも20以上)
この子以外のカミキリを見つけたら帰ろうと決めて、ひたすら探したが、結局シロトラカミキリしか見当たらないダメダメ物件(土場)であった。
材が悪いのか、環境が悪いのか、時期が悪いのか、それとも私の日頃の行いが悪いのか?
カミキリ以外に見かけたものは・・・
エゾベニヒラタムシ
別に珍しい虫ではないが、笑えるくらいにペラペラ体型なので、ついつい捕まえて横から眺めてしまう。
そして上翅の色や光沢の有無を確認し、光沢が無かったらポイ、あったら少し喜び、青かったら万歳する準備をする。(未だに万歳したことがない)
キオビホソナガクチキ
これも普通種。でも個人的にはあまり見かけたことがない。
蛾のような不気味さと、触ったら悪臭を放ちそうなイメージを勝手に持っているが無害。
たまには違うナガクチキムシを見てみたいものだ。
この記事は予約投稿で、公開日より1週間前の内容なので、今頃新たなカミキリが集まっているか、それとも土場が撤去されているか。君ならどっち?
天塩山地産成虫
先日、天塩山地の某所でエゾガロアムシ探索をしてきた。
天塩山地は一昨年、新産地として分布を確認しているが、見つけたのは幼虫のみで成虫は未採集。
今回は成虫を得ることが目的。
一昨年、分布確認した沢
昨年に生息確認したもう1つの天塩山地のポイントがあり、そちらの方が環境的に探しやすいが、ちょっと遠いので仕方がなくここを選択。
ブヨ多し。
山菜として質の良いフキとギョウギャニンニク、ウドも多し。
おほほ。しばらく遡上するといい場所見つけた。
天塩山地でこの環境は少ない。
ここなら絶対いる。
それでは早速掘り掘り・・・
まずは幼虫
若齢と中齢、計3個体
良い環境の割りに個体数が少ない。
なかなか現れなかったが、なんとか成虫♀1個体得ることができた。
後日、詳しく調べてみる予定だが、他産地とは違いはなさそうだ。
短期集中型探索
ある依頼探索の後、某所にある河畔林へ立ち寄ってみた。
ここは時期になるとジャコウカミキリが発生する場所で、今の時期ならエゾカミキリが見られる。
そう、今日は夏至。
一見晴れていてカミキリ日和と言いたいところだが、2時間前まで雨が降っていた。
しかも風が強い。
下草は濡れていて、地面はオカモノアラガイやヒメマイマイだらけ。
カタツムリはお祭り状態だが、これではカミキリ類は期待できないだろう。
ヤナギシリジロゾウムシ Cryptorhynchus lapathi
ヤナギに付いている甲虫といったらコレばっかり。雨天でもお構いなしで枝に付いているんだろう。
やはりエゾカミキリは枝に付いておらず。
雨天を避けてヤナギの幹下の地面に潜んでいるかもしてないと、そ~っと下草を掻き分けてみると・・・
エゾカミキリ Lamia texor
はい、でた。予想的中でニンマリしたが、この個体以降、出てこなかった。
いつもそうだ。
予想は直ぐに的中するが、以降成果が続かない。
早々に結果が出るからこの作戦に執着していまい、作戦変更することができず、無駄に費やしてしまう。
1度結果が出ると気が緩むのかもしれない。昔から集中力が続かない性格。
この性格はもう治らないな・・・
それにしても、このカミキリは地味だが、実にいい雰囲気を醸し出している。
ウラガン!あのカミキリをキシリア様に届けてくれよ、あれは、いいカミキリだ!
ぐふっ。
ラストマグソ
ある依頼探索の際、流木の下から想定外のマグソクワガタが出てきた。
この日は夏至。
マグソシーズンも終盤というか、もう終わってしまっただろう。
動かないので死骸のようだが、完品なので標本用に持ち帰ることにした。
帰宅して、暇なときに展足しようと冷凍庫保管しようと思ったら・・・
マグソクワガタ♂ Nicagus japonicus
あら、生きてる・・・
しかし選択肢は冷凍庫保管のひとつしかなく、なんらエンディングに変わりはない。
カオス生息地
先日の河畔林探索の際、雨後の湿った地面に多数のヒメマイマイを確認。
1つの幹下周辺に数個体いるので、相当数のヒメマイマイが地面にいることになる。
ここまで個体密度の高い産地には出会ったことがなく、1時間もあれば丼ぶり数杯はいけるくらいだった。(マイマイ丼ご飯なし)
ヒメマイマイには変異があるが、地域によって傾向がある。
しかしここの産地は、角張りはないにせよ、面白いくらい多様で傾向というものがなかった。
帯の有無型どちらも存在する産地は珍しくないが、軟体の斑が多い個体や殻に赤みのある個体、毛のある個体もおり、しかも殻高もバラバラだ。
特に軟体の斑の差が激しく、個人的には、右側の個体のようにここまで過度な斑があるヒメマイマイは見たことがない。
そんな個体も標本にすると軟体を抜くため無班の殻となってしまい、折角の特徴を残すことはできないのが悲しいところ。
勇気ある撤退?
道東方面へ遠征してきた。
目的はエゾガロアムシの分布確認であったが、あえなく撃沈。
今回で3回目。
計画の見直しが必要になってきた。
で、折角道東まで来たのだから、サブ探索も怠らない。
狙うはオクエゾトラカミキリ(今シーズンの目標ではないが、これくらいしか思いつくものがなかった)
日本では北海道のみに分布し、生息域は限られ、道東が主な分布域。
北海道RDBでは希少種に指定されているが、産地が遠いから採集しづらいのであって、産地の個体数は多いので、それほど珍ではない。
要するにジャコウカミキリ同様、行けば見つかる種と思っていい。
とある河川敷
気温は25℃を超える夏日となった。
まさにカミキリ日和だが、今年の道東は一昨日まで低温と雨天続きであったので発生しているかやや疑問。
オクエゾトラカミキリ Xylotrechus adspersus
あっさり見つかった。
でも、ガソリン代と高速料金を加味すると、この子の単価はとても高い。
脱出孔でボコボコに穴が開いたヤナギの立ち枯れに付いていた。
(なんの脱出孔かは不明)
さて、次の個体を探そうかね・・・
ん?
あうううう・・・
ハンドボールくらいの大きさか・・・今までに見たことのないサイズだ。
足跡の主は相当デカい。
しかも新しい・・・
まさに生命の危機、速やかに撤収
青モノ先取り
先日、札幌市某所の林道にて。
エゾゴマナからクリソリーナを4個体採集した。
昨年、オオヨモギハムシばかり確認した場所なので、おそらくオオヨモギハムシだろうとは思いつつ確認してみることにした。
一番右の個体は雌っぽい。
裏面
一番右の雌らしい個体の腹端にフックがない。これはもしや・・・
ワタナベハムシ♀であった。
ということは、残り3個体の内にワタナベハムシの雄が含まれている期待大。
・・・交尾器確認中
結果、3個体全てオオヨモギハムシであった・・・
今回採集した青色型のワタナベハムシ♀
青色型の雄は未だ見つけることができていない。運悪い?
寸詰まりバッタ
先日の道東探索の際、草むらの各所で聞きなれないバッタの鳴き声が。
気になったので確認してみることにした。
20~30cmほどの草丈なので、鳴き声の主を探し出すのに苦労はしなかった。
ヒザグロナキイナゴ Podismopsis genicularibus
日本では北海道のみに分布し、道東に多いらしい。
なるほど・・・札幌周辺で見かけた(鳴き声を聞いた)記憶がないはずだ。
この辺りでは本種ばかりが鳴いており、相当個体密度が高いようで他のバッタはどこ行った状態。
写真は雄。和名にもあるように後肢の膝が黒いが、翅は寸詰まりで翅端にいくほど幅広となるのが一番の特徴。
最初、ナキイナゴの奇形かと思った。
ナキイナゴと違って、長翅型はほとんどみられないらしい。
こちらは雌
翅は短いがこれでも成虫。
ナキイナゴ類は雌雄が同じ種とは思えないくらい外見が異なる。
雌雄ともに動きが緩慢で、捕獲は容易だった。
付近に渓流があったら釣り餌として有効利用できそうだ。
10年
気が付くと、このブログを始めてから10年が経過していた。
自分は気長に物事を続けることが苦手な性格なので、今までよく続いたものだと感心する。
コンゴトモ ヨロシク・・・
話は変わって、
クロテングスケバ Saigona ishidae
あまり見かけたことがなかったが、最近札幌市の山地でよく見かける。
たまたま発生時期に探索したのかもしれない。
ここ数年、この時期に札幌市内をあまり探索しないからなぁ・・・
特徴は前に突出した頭部で、意外にもカメムシの仲間なんだって。
飛ぶことも跳躍することもできるので、アワフキムシやヨコバイに遠からず近からずといったところか?(なんだそりゃ)
上面
ウラガン、この虫もいい虫だ。キシリア様へ・・・
過密状態
小さな小さな湿地にて。
ひしめく様な形でヤンマの羽化が始まっていた。
写真に見えているだけで脱皮殻は6つ。周辺にはもっとある。
湿地の規模は4畳半くらいの狭さで、水量が乏しいにもかかわらず、異常なヤゴの密度。
今時期はオタマジャクシが多いので餌には不自由しないが、それ以外の時期はこれだけのヤゴを養えるだけの餌がどこにあるのだろうか?
羽化途中もいくつかあり・・・
どうやら全てルリボシヤンマらしい。