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Channel: 探索・採集・飼育みたいな雑記的記録
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亜高山帯謎ゾウムシ

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先日の亜高山帯探索の続き。
ちょっとした裸地を見つけたので立ち寄ってみた。
裸地の範囲は狭く、植物はイワブクロと松の若い低木が所々にある程度。
いくつもの大きな石が転がっていたが、その下の大部分はアリの巣になっていた。
早朝なので、石の下に隠れているミヤマハンミョウもちらほら。


裸地の石の下から得られたゾウムシ。


これは昨年、同じ場所で見つけた同種と思われるゾウムシ。
どうやらここが発生源かもしれない。
鱗片からなる斑紋が擦れていなく、最初、キソヤマゾウムシByrsopages kisoの完品かと思っていたが、違和感があり、どうも違うようにみえる。
ならヌタッカゾウムシTrichalophus nutakkanusか?とも思ったが、体型が細くない。



左:今回採集したゾウムシ 右:キソヤマゾウムシ Byrsopages kiso
体長は約10mmでキソヤマゾウムシの体長に納まり、上翅の斑紋の位置も似た場所にあるが、キソヤマゾウムシの前胸背部の点刻がほぼ繋がらず独立しているのに対して、この個体の点刻は繋がり、しわ状になっている。
あとはどこが違うと言えば、体色ぐらいか。

ホソヤマゾウムシ Cyriophthalmus variegatesという気になるゾウムシもいるが、これに関しては同定できるほどの資料に乏しく、比較が今のところできない。
海外のサイトに写真があったが、それと比べるとあまり似ていない。
今のところ手詰まり状態。


アリより先に

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8月上旬、ちょっと寄り道で某湿原に立ち寄ってみた。
付近は葦などの草がうっそうと生えており、水辺に近づくだけでも一苦労。
この時期は無理に訪れない方がいいみたい。


ゴマシジミ Maculinea teleius muratae (北海道西部亜種)
盛夏に発生するシジミチョウ。
湿地付近には幼虫の食草になるナガボノシロワレモコウが多いので本種もよく見かける。
機会があったら幼虫を撮影してみたい。
三齢幼虫まではワレモコウの花を食べるらしいので、8月下旬辺りに再訪してみようかな。
アリの巣に幼虫が運ばれる前に。

という訳で1ヶ月後の9月上旬・・・
(8月下旬の予定だったのに・・・)


もうすっかり秋の空。
湿原は、大人の背丈ほどに成長したススキとセイタカアワダチソウがびっしりと生い茂っており、8月上旬に訪れた時より更に歩行困難となっていた。
マダニの宝庫なので、あまりこの草むらの中を掻き分けて歩きたくないが仕方がない。


8月にはたくさん見られたナガボノシロワレモコウの花もめっきり少なくなり、探し出すのも一苦労。
予定に反して湿原の奥まで入ってしまった。
さっさと見つけて、さっさと撮影して、さっさと帰るつもりだったのに・・・


花さえ見つければ、こちらのもの。
ゴマシジミの個体密度が高い場所なので、幼虫も簡単に見つかるはず。


穂状花序を慎重にほぐしていくと、間もなく中から暗赤色の小さな幼虫が現れた。


ひとつの穂状花序にかなりの確率で1~3個体の幼虫が潜んでいた。
時期的に卵は確認できなかったのが残念。そもそも8月に訪れたときに卵を探しておけば良かったが後の祭り。


ん?この子は何者かに寄生されておりますな。
寄生ハチか寄生ハエの卵か???


もちろん湿原なので蚊は多い。
体に止まった個体は速やかに処刑。(写真は処刑後)

来年の春~初夏あたりにクシケアリの巣から終齢幼虫か蛹を掘り出してみようかな。
それほど難易度は高くないだろうと安易に考えている。

見るだけ限定の美しさ

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秋・・・。いろいろなカメムシをよく見かけるようになる秋。
これから晩秋にかけてもっと増える。


アオクチブトカメムシ  Dinorhynchus dybowskyi
カメムシ類はあまり好きではない。
むせるようなあの臭いがオサムシ類と異なり、慣れることができず、嫌悪感が払拭できない。
ただカメムシ側にとっては効果覿面だ。

本種はなかなかの美麗種だが、あのニシキキンカメムシ(写真でしか見たことがない)と比べると大差で劣る。
ニシキキンカメムシは北海道にいないので、本種が北海道で最も美しいカメムシとなるだろう。

雌に嫌われているとこういう成果となる事例

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ぶらり札幌市内の山地で探索。
ある目的の昆虫探索が見事に玉砕したため、サブ目的のクリソリーナ(ヨモギハムシ属)の一種で、未見のワタナベハムシを探してみることにした。


エゾゴマナ
ワタナベハムシの食草。他にミヤマアキノキリンソウなどがあるが、エゾゴマナは山地でまとまって生えているので、探しやすい。

しかし本命のワタナベハムシの他にもオオヨモギハムシやアイヌヨモギハムシも食草としている。
混生していたらどうしよう・・・
現地で交尾器の確認などの繊細な同定作業はしたくない。
オオヨモギハムシとアイヌヨモギハムシの雌の腹部末端にはフック状の突起があるので、雌らしい個体にフックが無ければ本命と思っていいだろう。
あとはその付近に潜む雄を見つければ本作戦は終了となる。たぶん・・・


おおっ!林道に入って間もなく、エゾゴマナの葉にくっ付いているクリソリーナ発見。
雌らしい個体だ。
腹部末端を確認してみましょう。


ぬおおお~フックあるじゃないか~!!
アイヌヨモギハムシなのか?それともオオヨモギハムシなのか?
くそ~~
アイヌヨモギハムシはアキタブキ、オオヨモギハムシはエゾゴマナ、ワタナベハムシはミヤマアキノキリンソウと言った感じで、ひとつの食草しか食べず、それぞれ重ならなかったら、どれほど探すのが楽な事か。
もしくは体色を明確に変えてほしい。(無理難題もいいところ)


その後もクリソリーナは次々と見つけることができたが・・・
雌らしい個体は10個体得られたが全てフックがあり、残念ながらワタナベハムシではない。
雄らしい個体は6個体得られたが、雌との割合から、本命である可能性は絶望的だろう。

意気消沈。
帰宅して、一応雄らしい個体の交尾器を確認してみた。
もちろん期待はしていない。

アイヌヨモギハムシ Chrysolina aino
左:♂ 右:♀ 雄の下は交尾器側面
雄の交尾器確認から6個体中3個体とフックのある雌10個体はアイヌヨモギハムシであることが分かった。予想通りの結果。
では残り3個体の雄は・・・


ワタナベハムシ Chrysolina watanabei
運よく雄のみではあるが本命3個体得られた。
アイヌヨモギハムシとしっかり混生していた・・・
それにしてもアイヌヨモギハムシ雌雄比10:3に対しワタナベハムシ雌雄比0:3とはどういうことか。雌はどこにいった?

この2種を観察してひとつ分かった事ある。
雄のみで今回探索した地域限定かもしれないが、前胸背部の点刻がアイヌヨモギハムシは均等に散在しているに対して、ワタナベハムシは点刻が少なく平滑な部分があることに気付いた。
これに留意していれば現地でも容易に区別できそうだ。

以下はおまけ。

オオヨモギハムシ♀ Chrysolina angusticollis
今回探索した林道から数キロ離れた場所のエゾゴマナで見つけた。
いろいろな体色があるが、藍色はよく見かける体色。
ワタナベハムシやアイヌヨモギハムシと比べて雌の光沢は弱いが、うまく照明を当てるとそれなりに輝いてくれる。


アイヌヨモギハムシ(空沼型) Chrysolina aino
アイヌヨモギハムシの空沼岳周辺に分布する色彩変異型で、知る人ぞ知る美麗種。
実はこの空沼型、雄ばかりで雌が未だに得られていない。半分諦めている。
そういえば数年前、苫小牧でも似た体色の産地を見つけ、gecko型と勝手に名付けた事がある。
懐かしくなったので、久々に再会目的で探索してみようかのぅ。

消失する毛

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札幌市南部のヒメマイマイ。
雨後だったので、葉上で見かけた個体が多かった。


殻径10mmほどの幼貝
この辺りの個体は、幼貝の時期に殻に毛があることは以前から分かっていた。
ただ、他の有毛産地の個体と比較して毛は疎らなので、よく観察しないと殻に付いた汚れ程度に思うだろう。
このタイプの分布は河川を2つ挟んで広がっているので、ヒメマイマイの変異の割には広範囲なのかもしれない。


殻径15mmほどに成長した幼貝
殻皮が擦れて、剥がれかけている。
殻皮の残った部分がざらついた感じになっているが、毛はほとんど確認できない。
多くの個体を確認したが、このサイズで、しっかりと毛が残る個体はいなかった。


成貝
全く毛は確認できない。痕跡すらない。
成貝のみに注目していたら、かつて毛があった事は分からないだろう。
カタツムリ自体も毛があったことは忘れているに違いない。
わたしはこの地域個体群を勝手に「準毛ヒメ」と呼ぶことにした。

毛が残る地域と毛が消失する地域、毛が残る要因はなんだろうか?
各地域個体の毛に対する重要性が関連するのだろうか?

青は藍より出でて藍より青し

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前回、未見であったワタナベハムシを無事見つけることができたが、雄のみで雌が見つからなかったため、1週間後に再挑戦してみた。


早朝の林道。
さすがにこの時期になると、少し厚着をしないと寒くてやってられない。
なのに蚊はやってくる。彼女ら(蚊)も必死なのだろう。
もたもたしていると刺されてしまうので、さっさとワタナベハムシの雌を見つけて撤収したいところ。

エゾゴマナを念入りに探すが、アイヌヨモギハムシ♂がぽつぽつ・・・
生態写真を優先しているので、カメラを不用意に近づけるとポロリもある。
動きの鈍いクリソリーナ(ヨモギハムシ属)だからといって油断できない。

ワタナベハムシ Chrysolina watanabei
前胸背部の点刻が少ないので、これはワタナベハムシ♂だろう。(帰宅後交尾器確認済み)
体長も若干アイヌヨモギハムシと比較して小型。
思った通り現地で交尾器確認をしなくても区別はできるようだ。(絶対とは言い切れないが信頼度は高い)


この子もワタナベハムシ♂
結局、雌は見つからなかった。(ちなみにアイヌヨモギハムシの雌も見つからなかった)

気を取り直して、場所移動。
以前探索した際、この辺りのエゾゴマナにはアイヌヨモギハムシは見られず、代わりにオオヨモギハムシを見かけた場所であったが、今回なかなかクリソリーナが現れない。
エゾゴマナは至る所で生えているのに・・・
どうやら一日中あまり日の当たらない場所や地面が泥状の場所(水はけの悪い場所)に生えるエゾゴマナは、クリソリーナが好まないらしく、ほとんどがそのような場所であった。
そこで、なるべく日なたに生えているエゾゴマナの群生を探すことにすると・・・。

オオヨモギハムシ♂ Chrysolina angusticollis
早速、本命ではないが、現れた。

更にこの子がいたエゾゴマナの下側の茎に、青色のクリソリーナを発見。
オオヨモギハムシとは少々異なる雰囲気の個体。
これはもしやと、持ち帰り、詳しく確認してみると・・・

ワタナベハムシ♀ Chrysolina watanabei
地域変異型である青藍色の雌。産地は異なるがやっと雌を得られた。
もう時期的に遅いのか、ボロボロの個体で、後脚は欠損し、一部凹みもあったが、光沢は強く、オオヨモギハムシの青より深みがあって美しい。

結局、この時点でタイムアップとなり、見つけられたのはこの個体のみ。
生息場所は特定したが、完品を得るには来シーズンに再挑戦するしかないだろう。
なんでこんな遅い時期から探し始めたのだろうか。ちょっとだけ悔やまれる。

銅色のアイヌヨモギハムシが生息する場所にいるワタナベハムシの体色は同じ銅色、青藍色のオオヨモギハムシと混生する個体は同じ青藍色。
あまりにも生息範囲が狭いが、これも収斂していると言っていいのだろうか。それとも擬態か?
擬態なら、個体数から似せた側はワタナベハムシの方だと思われるが、モデル(オオヨモギハムシ)より高品質(?)に真似したことになる。

安定の黒と黄色いリュック

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島牧村の高地にはブドウマイマイが多産している。
今回も産地に訪れると、相変らずわらわら・・・
この日は雨天ということもあり、活発に動き回っていた。


ブドウマイマイ Ezohelix gainesi f. flexibilis
軟体、殻共に真っ黒なエゾマイマイの地域変種


4m程の高さのブナの樹上にも。
一般的なエゾマイマイよりは積極的に樹上に登る性質があるようだ。
ブナの樹皮は滑らかなので、登りやすいのかもしれない。


エゾマイマイとは別種とされたり、エゾマイマイの亜種とされる場合があるが、この写真のように軟体の色がやや淡い個体もおり、このタイプなら北海道各地でも見かけるので、やはりブドウマイマイは単なるエゾマイマイの地域変種というのが正しいのかもしれない。


樹上にまとめて4個体
ほぼ一直線上に並んでいるので、なにか誘われるものが流れてきているのだろうか。

ちなみに今回の題名の意味は分かる人には分かる。

トップをねらう!

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涼しくなってきたので、エゾガロアムシ分布域調査。
今回は増毛山地の東隣にある樺戸山地がターゲット。
分布域である夕張山地とは石狩川を挟んでいるが距離的に近いし、昨年、新たに分布確認した天塩山地にも近い。
おそらく生息している可能性が高い。


探索した沢
大雨の影響か、土石流があったらしく、どの沢も荒れていた。
小さな沢にも砂防ダムがいくつも配置されていたので、頻繁に土石流が発生する地域なのかもしれない。


やっと見つけた、エゾガロアムシが潜んでいそうな礫層。
勇んで掘ったが出ない。
何ヶ所かいい感じのポイントはあったが、全くガロアムシは出てこない。
かなり掘ってみたが・・・体力が無駄に消耗するだけ。


ルリマルクビゴミムシ
礫層内から数個体出てきた。
最初、エゾマルクビゴミムシかクロマルクビゴミムシだろうと思ったが、青色の弱い光沢に気付き、よく確認すると、ルリマルクビゴミムシの特徴である前胸背部が心臓形で後方に強くくびれていた。
未発表かは不明だが、樺戸山地にも生息しているようだ。
ここに生息しているなら、おそらく北見山地や増毛山地、天塩山地にも生息している可能性がある。



左:♂ 右:♀ 樺戸山地産ルリマルクビゴミムシの一種 Nebria shibanaii ssp.
光沢などの外見は石狩山地記載産地のNebria shibanaii shibanaii に似ているが、別亜種だろうか???
夕張山地産も同じ感じだ。
意外と分布範囲広いぞ、この子は。

エゾガロアムシに関しては、この地域に生息していないとは今回の探索では断言できないので、機会を見てもう一度挑戦してみようと思う。


天塩山地北部にて生息確認

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今回は天塩山地北部でのエゾガロアムシ新産地を探してみた。
昨年、天塩山地中東部にて生息確認済みなので、おそらくいるはず。


今回、探索した沢(標高:約50m)
雨天が続いたが、増水もなく安定した流れ。
なかなか良さげな環境で、モチベーションも上がる。


まずは試し掘りで、沢脇の斜面を掘ると、適度な空隙がある礫層が出てきた。
礫層内からマルクビゴミムシの一種がワラワラ出てくる。
林道に接した場所だったので、あまり期待できなかったが、掘って10分も経たない内に・・・


はい、出ました。エゾガロアムシ幼虫。一丁上がり!
体色は成虫の様な飴色だが、体長は小さく、脱皮が近い幼虫。
尾肢節数が8節に見えるので、7齢(終齢)だと思われるが、それだとかなり小型となる。
節が不明瞭なので6齢の可能性もあるが、それでも小さい気がする。
それにしてもここまで体色の濃い幼虫は初めて見たかもしれない。


複眼有り

これで天塩山地北部でも生息確認でき、目的は達成。
この後、しばらく掘ったが、追加個体を得ることはできなかった。
今回の目的は生息確認なので、1個体だけでも問題はない。
(本当のところ、成虫サンプルが欲しかったが・・・)

次回は天塩山地南部での探索を予定。
天塩山地中部以南は数年前に探索しているが、適した環境が全く見つからず、玉砕した経緯がある。
ただ天塩山地南部での生息確認は、更に南にある増毛山地と樺戸山地に生息している可能性に大きく左右する最重要拠点。なんとしても見つけ出したいところ。

掘削系探索をするには気温が丁度良い時期なので、雪が積もるまではエゾガロアムシ探索を続ける。
今シーズン中にあと4ヶ所調べたい場所があるが、全部は無理そう。


沢で見つけた怪しいキノコ
スッポンタケのようだが、何が怪しいのかというと、コレ「子供のお○んちん」にそっくり。
見つけたとき、思わず笑ってしまった。


おねいさん達はこのようなモノが好きですよね?

北の最果てガサ巡り

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ある用事で道北エリアにて「現地案内」兼「採集助っ人」探索。
余程の事がないと訪れないような場所なので、いろいろ探してみた。
そのひとつとして、ミズグモの生息確認とサンプル確保。
ミズグモは釧路湿原や苫小牧勇払に生息しているのは知っているが、サロベツ周辺の湿地にもいるらしいとの噂。
ここのミズグモは他の道内産と比較して違いがあるのか、実に興味がある。


利尻島が見えるくらいの道北


草薮の奥に湿地が見える。
池もあるようだ。


池に辿り着く。
誰かゲンゴロウ目当てでガサったと思われる形跡あり。
このような環境にはミズグモはいないが、折角なので、どんなゲンゴロウが入るか試しにガサってみた。


ナミゲンゴロウ Cybister japonicus
個人的には珍しくないが、網の中で大きなゲンゴロウがピョンピョン跳ねる姿を見るとなんか嬉しくなる。


カラフトマルガタゲンゴロウ Graphoderus zonatus
網を入れると必ずと言っていいほど複数入っている。
かなりの個体密度で、陳腐種のヒメゲンゴロウでさえこんなにウハウハ状態にはならないだろう。
だが嬉しいのは最初だけで、間もなく鬱陶しくなる。


カラフトマルガタゲンゴロウ(左:♂ 右:♀)


この辺りはマルガタゲンゴロウはいないと思っていたがカラフトマルガタゲンゴロウと混生していて驚いた。(左の腹面が黄褐色なのがカラフトマルガタゲンゴロウで、右の黒色がマルガタゲンゴロウ)
と言っても、マルガタゲンゴロウの個体数はかなり少ない。


あとはケシゲンゴロウ Hyphydrus japonicus とか・・・
確かこの辺りって、エゾヒラタヒメゲンゴロウとかサロベツナガケシゲンゴロウとかエゾガムシとか「珍」が豊富なはずなんだけど・・・
他の場所ではオオヒメゲンゴロウやゲンゴロウモドキ、オオシマゲンゴロウの「珍もどき」が入ったくらい(普通種は割愛)

おおっと、ゲンゴロウで脱線してしまい本命を忘れるところだった。
中途半端な成果のゲンゴロウ採集はこれくらいにして、ミズグモを探してみたが、残念ながら得られなかった。
相当念入りに隈なく探したつもりだが・・・まいったね。
環境は問題ないが、どの湿地にも生息しているのではなく、かなり局地的に分布しているのかもしれない。


機会があったら、また訪れたいが、高速料金&ガソリン代&長距離運転による体力消耗と眠気を考慮すると・・・

気になる瑠璃

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エゾガロアムシ探索の際、最初にマルクビゴミムシ類がよく出てくる。
ゴミムシ類をいちいち気にしていたら、本命が疎かになるので、なるべく無視するようにしているが、今回ルリマルクビゴミムシについて気になる事があり確認してみた。


左:石狩山地産 右:夕張山地産
石狩山地産は基亜種Nebria shibanaii shibanaii
この2タイプの形態に大きな差はないが、夕張山地産が亜種として分類されるのかは分からない。


左:樺戸山地産 右:天塩山地南部産
樺戸山地産は、上の2タイプと比べて「ふ節」と触角の色がやや明るく、黄褐色となり、若干ではあるが上翅の横幅に膨らみがある。
天塩山地南部産の脚は「ふ節」から脛節まで黄褐色で明瞭に明るく、上翅が他産地のようなスレンダーな長卵形ではなく、短く丸いので、全体的に「ずんぐりむっくり感」がある。
ルリマルクビゴミムシは前胸背部が心臓形で後方に強くくびれるのが特徴だが、この産地の個体はくびれが緩やかで、全体的に幅広いところも気になる。
形態の違いが一目瞭然なので、採集時、本当にルリマルクビゴミムシなのか何度も確認したくらいだ。
これは実に興味深い。


天塩山地南部産
うん、やっぱり、見慣れたルリマルクビゴミムシとはちょっと雰囲気が異なる。


樺戸山地の採集地と天塩山地南部の採集地は約40kmほど離れているが、地理的に大きな隔たりはなく、繋がっていると言っていい。
樺戸山地が夕張山地と天塩山地の中間地点で、形態も中間的なことから、夕張山地→樺戸山地→天塩山地と北へ移行していくのではないだろうか。(あくまでも個人的な推測)

以前、天塩山地北部で探索した際、マルクビゴミムシを多数掘り出したが、もしかするとその中に基亜種とは大きく異なったルリマルクビゴミムシ(?)が混ざっていたのかもしれない。
機会があったら留意して探してみようかね。

※ 地図は国土地理院HPから地図を加工して作成

適期適所

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天塩山地でエゾガロアムシ生息調査していたときの事。


伏流水が少し染み出ている礫層(地下浅層)からヒラタクチキウマが出てきた。
越冬のため礫層内に潜り込んでいるのだが、もうこんな時期になったのかと思うと寂しくなる。
ちなみにこのような伏流水が染み出て水気の多い環境は、エゾガロアムシは好まず、早々にポイント変更しなくてはいけないのだが、ついつい何か出ないか余計に掘ってしまう。
とはいえ、運良くいてもチビゴミムシ類で、エゾアカガエルが越冬で入り込んでいることもある。
礫層は粘土層(表層)で完全に覆われているように見えるが、どこかに僅かな隙間があるようで、そこから礫層内に入り込むらしい。


今回見つけたのはマツモトヒラタクチキウマ Alpinanoplophilus matsumotoi
これは雄の成虫で、幼虫も見られた。
数年前、この場所ではないが天塩山地で、同種を見つけている。
本種の成虫♂は他種より区別しやすい。

更に気になる瑠璃

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前回の記事で紹介した天塩山地産ルリマルクビゴミムシ
今回も天塩山地の別の場所で見つけることができた。
個体数は少なくなく、苦なく得られる。


ルリマルクビゴミムシの一種 Nebria shibanaii ssp.
左:♂ 右:♀
やはり前胸背部のくびれが他産地と比較して弱く、上翅がそれほど細長くないので、体型に違和感を感じる。青藍色の光沢がなかったらルリマルクビゴミムシとは・・・
写真の雌の脚はやや黒みが強いが、脚も「ふ節」から脛節まで黄褐色で明るい。

最近、本種の記事ばかり・・・
何故ならば、他にいい成果が得られていないから。

ジャンク吸虫管

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いろいろと多忙で探索に出掛ける時間がないが、少ない時間で「吸虫管」を作成してみた。
吸虫管は極小でデリケートな昆虫をスムーズに捕獲できる便利な代物。
今まで必要に感じたことがなかったが、とある「極小でデリケートで俊敏な虫」を捕獲するのに効率が良さそうなので最近注目していた。
市販されている吸虫管の相場は2000円くらいで、高価なものではないが、市販タイプはどれも容量を含め個人的に使い勝手が悪そうで、気に入ったものがなかったため、家にあるガラクタを利用して自作してみることにした。


完成はこれ。
いかにも自作といった感じだが、完成には満足している。
100円ショップで霧吹き(ボトルと蓋)を購入しただけで、エアーポンプのエアーチューブなど他の部品は家にあるガラクタから調達。
失敗しても損失は100円なので、痛くも痒くもない。


もう少し管を長くしても良い気もするが、調整はできるので問題なし。
壊れても部品のストックはあるので、修復もできるところが最大の利点。
ただし、吸虫管としての機能を十分に発揮できるかは、来シーズンに実戦投入してみないと分からない。
来年5月初旬に実戦投入予定。
半年後か・・・北海道の冬は長い。

寒風掘削

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一応まだ11月。まだ掘削系探索ができる時期。
寒いので直前まで躊躇していたが、探索に出掛けてみた。
前日は仕事を終えてから夜釣りに誘われ、釣果もしょぼく、疲労している・・・でも久々の休みなので無理を承知で強行探索。
体力の回復より精神的回復優先。


<札幌市の山地にある某沢>
朝6時半、気温は氷点下。市内が-1℃くらいなので-3℃くらいか。
昨年のちょうど今頃は雪が深く積もり、雪上にクモガタガガンボが闊歩していた。
今年は暖かい日が続いたので、積雪なし。


小枝に付いた水しぶきが凍って芸術を作り出す。
濡れた石や倒木も凍って滑りやすくなっており、この芸術に見惚れて近づいた者をドボンさせるトラップあり。
油断すると危険だ。


<柱状節理>
北海道では層雲峡や天人峡で有名な地形で、札幌市でも定山渓付近で見ることができる。
一見脆そうだが、硬く、重く、崩しにくいため、この地域での掘削系探索は苦労する。
腕や手首を痛めるので、余程の事がない限り無理して掘らない方が賢明。


<沢脇の脆い岩盤がある斜面>
落ち葉に埋もれてしまいポイント探しが一苦労。
脆いと言っても、この辺りの岩質は硬くて重いので、岩盤が適度に崩れて埋まっている場所を探す。


<掘削ポイント>
岩盤の表層付近は、頭~こぶし大の岩にひび割れ、比較的掘りやすい。
適度な隙間があり、一部脆いシルト岩質も混じる。
ただ、数10cm掘ると硬い岩盤にぶつかるので、深くは掘れない。


ムイネチビゴミムシ Epaphiopsis (Epaphiama) brevis rectilobata
20~30cm掘った辺りで見つけた。
有眼種だが地下浅層に生息する。基亜種であるニセコチビゴミムシのように落ち葉層にも生息しているかは不明。
いずれは同属のカリバチビゴミムシのように複眼が徐々に退化していくのであろう。

前回、表層付近で複数見られた陳腐種ヨツアナミズギワゴミムシは全く見かけなかった。
どこかで越冬しているのか、成虫で越冬できないのか?


2時間ほど掘削してムイネチビゴミムシは3個体得ることができた。
珍種とはいえ本種は昨年採集済みなので、今回の目的ではない。
実はなんとしても見つけなればならない種があったのだが、時期がずれているのか、生息環境が異なるのか、S級希少種なのか、残念ながら確認することができなかった。
う~む、ムイネチビは落ちるのに・・・
これに関しては、視点を変えて探さないと進展がないかもしれない。

明日から数日間は雪が降るという予報。
この辺りはそろそろ深い雪に覆われ、半年以上近づくことができなくなるだろう。


掘削系探索者の日誌

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掘削系探索のため、沢を遡上していくと、山奥なのに人工物があって驚かされることがある。
砂防ダムならまだ納得いくが、写真下のような建物があることもしばしば。

謎の施設
相当昔のもので、現在使われている様子はない。
建物から出ているパイプが右側斜面を上って走っている。
沢には老朽化してへし曲がった鉄筋の橋があり、パイプを通している。人が渡るためにも使用していたかもしれない。
沢の水をどこかに組み上げるポンプ施設なんだろうか?
そもそも資材をどうやって運んだのだろう。
付近に人の気配が全くない山奥で、このような建造物や廃屋を見つけると実に不気味に感じる。

おそらく赤い扉をこじ開け中に入ると、日記らしきものがあり、読んでみると・・・

<掘削系探索者の日誌>
Nov 15,2015
ふとんが冷たく、またく寝つけない。 
それもこれも1階の住人が引越し空室となたため、2階の我が家に暖房熱が伝わらないからだ。

Nov 16,2015
休みが少ない。休みになっても天気が悪い。
たんさく できない
いらいら ガレ場

Nov 19,2015
ガレ場 がれば ムイネチビゴミムシきた
さいしゅう
うまかっ です。

Nov 25,2015
おおゆき ふった
たくさんつもた

Nov 26,2015
あまりに はなみずとおかんがする で、くすり のんでねた。 

Nov 27,2015
やと ねつ ひいた も とてもガレバ
今日 はらへったの、も~にゃの エサ くう

4
がれば 
うま


日誌を読んだ後、このような掘削系ゾンビに遭遇するだろう。
「ガガガガ・・・ガレ場・・・ガレ場・・・」とつぶやき、スコップを引きずって彷徨っている。
※ あるゲームのゾンビ画像をわたしに似せて加工したもので、実際こんな姿で探索している。
無害なので、見かけてもショットガンで撃たないで下さい。
(あまりにも自分そっくりに作成できたので、気に入っている。今後も登場予定)

風邪なかなか治らない

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風邪をひいているなら回復魔法を唱えてやる!


gecko「ぐわぁぁぁ~~回復魔法はやめれ~~」
※ アンデッドに回復魔法(白魔法)をかけると逆にダメージを受ける。

最近の記事って一体・・・

雨天のクモガタガガンボ探索

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3日に所要があり実家(旭川)へ。
この日の気温は高く、雨天。
旭川手前の神居古潭付近では、路面が滑って大型トラックやタンクローリーが走行車線・対向車線ともに次々と立往生し始め、どんどん渋滞。
それらを縫うように避けて、なんとか旭川市内へ。
高速道路では救急車やパトカーがサイレン鳴らして走っているのが見えた。
とんでもない日に来てしまったか?

気を取り直して、実家に行く前にクモガタガガンボ探し。
これから本格的に雨が降る予報なので、迅速に済ませたいところ。

雪で覆われた林道(数日前にかなり積もったという)
午前8時頃。
空は厚い雲に覆われ薄暗く、ぽつぽつと小雨が降っていたが、風もなく、気温も-1℃程とクモガタガガンボが活動する好条件なので、おそらく見つかるだろう。
この時期に珍しく、傘を差しながらの探索となった。
(この時期でなくても傘がいるほどの雨天には探索しないか・・・


クモガタガガンボの一種♀
早速、雪上を歩いていた。今シーズン初KGG


クモガタガガンボの一種♂
雄の割合が多い。


クモ類もちらほら。
以前はクモガタガガンボとサイズや容姿が似ているので、紛らわしく感じていたが、動きなどから遠くからでも判別できるようになった。


雪原はクモガタガガンボを探しやすい環境。
ただ雪原の中心部では見かけることはほとんどなく、発生場所であろう林縁付近に多い。
少しずつ歩き、立ち止まって、雪上を動く黒い点を探し出す。
動きが速ければ本命、緩慢ならクモとなる。
1時間程の探索で、雄が約20個体、雌が8個体のクモガタガガンボを確認できた。
※ 大型種・小型種など分けずにカウント


交尾するクモガタガガンボ
雌雄を一緒にすると、雄はすぐに交尾を試みる。
容易に雌雄が巡り合える環境ではないので、何はともあれまず交尾なんだろう。

ぶちプラス

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イオンでお買い物。
ガチャガチャ(カプセルトイ)コーナーで何か「ネコもの」がないかと物色していると、「脱力猫」なるものがあった。
「ネコもの」はいくつかあるが、気に入ったものは少ない。
しかしこの「脱力猫」はクオリティ高く、とにかくカワイイ。
種類は「白」「キジトラ白」「ハチワレ」「黒」「グレー」「ミケ」の6種。
できれば「も~にゃ」(うちの飼い猫)に似たハチワレが当たるといいなと、1回挑戦してみた。

白だった・・・
いや待てよ。これ、マジックで、も~にゃと同じ「ぶち」を書き込めば、そっくりになるのでは?
やってみたのがコレ↓

お?


おお?


似ているじゃないですか!


これ本物


これも本物のも~にゃ


どけろ~~

ヤル気募集中

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今年のクモガタガガンボ飼育
蛹化までの飼育という目的は既に達成したので、これからは効率よく蛹化させる事と羽化までの観察をしたいと考えている。
ただ、目的達成した後なので、いまいちモチベーションが上がらない。
こういう怠惰な姿勢で飼育すると大抵失敗する。


<15年型クモガタガガンボ産卵用飼育容器>(通称:弁当箱改Ⅲ)
湿らせたキッチンペーパーを厚く敷いた上に自家製腐葉土を配置。
今後、落ち葉を粉砕したものを徐々に添加していく。
なんか知らない葉があるが、これは採集時にクッション材として利用したもので、分解しなければ取り除く予定。

モチベーションの低さに比例してか、カビが発生し始めた。
カビが生えると、失敗の前兆。


産卵中の雌



産卵~孵化までは簡単、幼虫をいかに成長させ蛹化まで持っていくのが難しい。
蛹化までは飼育できたが、今までの飼育では蛹化率が低い。
温度管理と餌の維持・・・いろいろ課題(飼育修正点)はある。しかし現在ヤル気がない。
困ったものである。

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