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Channel: 探索・採集・飼育みたいな雑記的記録
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分布北限更新

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今年もエゾガロアムシの分布北限調査のため、2回遠征してきました。
昨年は枝幸町まで確認しておりますが、更に北部にも分布していると予想されます。
今回の記事はその結果をまとめてみました。

深夜、高速を飛ばし、7時くらいに中頓別町に到着。

知駒岳山頂付近(中頓別町と幌延町が接する峠)からの眺め。
ここを探索開始として、北へ進みながら探索していくことにしました。


探索地点は大きく分けて5ヶ所(中頓別町・幌延町・豊富町)
かなり稚内市に近い場所まで北上してみました。
◎は昨年分布確認した枝幸町風烈布


?:中頓別町(西部)
知駒岳山頂付近(中頓別町と幌延町が接する峠)は、谷底が深く、笹も密生しており、アクセスできない場所が多かったが、その中で唯一アクセスできた沢。
水は清らかで冷たく、小型のヤマメが泳いでいた。
沢付近は冷涼で多湿で、いい環境だったが、礫層がどれも浅く、エゾガロアムシの確認はできなかった。
ガレ場や深い礫層があれば、生息している可能性はありそう。
探索開始地点なので、ここでは掘り出しておきたかったが・・・

北西へ移動。

?:幌延町(東部)
川底が岩盤で、一枚岩のようになっており、石はほとんどない。
ちょっとした名所になりそうな場所です。
水はやや褐色。川底や岸辺には泥が溜まっている場所がちらほら。
幌延町に入った辺りから、水質や環境に変化が現れ始めた。
探してもガレ場はなく、一度も掘らずに場所移動。

更に北へ移動。


?:豊富町
幌延町に入った辺りから現れ始めた水質や環境の変化が北へ行くにつれ、増々大きくなる。
幌延町・猿払村・豊富町が接する地域の山塊から流れる沢は、源流域だというのに水の色が褐色を帯び、流れは緩く澱んで、豊富町では写真のような状態になった。
泥で濁っているわけではなく、まるで泥炭のタンニンが融け込んだ湿地の水質に似ている。
川底も泥質で、河口からは離れているのにシジミ貝(種は不明)も生息していた。

西にはサロベツ原野(湿地帯)、東はクッチャロ湖などの湖沼群が近い影響かと思ったが、山地の地質に何かが含まれているのだろうか?(かつて泥炭を含む湿地だったとか)
この辺りの地理を調べてみたが、よくわからなかった。

ガレ場や礫層もあるにはあったが、乾燥していて話にならない。
この一帯はガロアムシが生息していないと思っていいだろう。


?:幌延町
?よりも西側で、源流部の山地が異なるためだろうか、この辺りで珍しく透明な水質の沢を見つけた。
しかも川底に泥がなく、久々に期待できるとテンションが上がったが、ガレ場や礫層斜面がほとんどなく、エゾガロアムシの確認できなかった。
これより西はサロベツ原野となる。


?:中頓別町(南部)
雨天続きのためやや増水気味。
なかなか掘り出せそうな環境を見つけることができないまま相当遡上し、この川に流れ込む小さな沢で礫層のある斜面をやっと見つけた。(この斜面の撮影忘れました)
規模は小さいが、期待しながら掘削開始。


幼虫ですが、なんとかエゾガロアムシの生息を確認。
昨年見つけた枝幸町の生息地から約30?北上地点となります。
ここの山塊は、更に北の浜頓別町南部まで続くので、その辺りまでは分布していると思いますが、稚内方面に続く中頓別町西部から北(幌延町・豊富町)の山塊は環境的にいないと考えると、今回の中頓別町北部〜浜頓別町南部あたりが北限ではないだろうか???
(一時的で妥協的な結論ですが・・・)


最低限の結果は出したが、もう少し北限を更新できると思っていただけにやや不満。
まだまだ探索不足ではあるが、ここまでの遠征はさすがにキツイので、再挑戦という考えはいまのところありません。
探索後、数日間疲れが取れない・・・もう寝かせてください。ぐふっ。


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