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Channel: 探索・採集・飼育みたいな雑記的記録
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樹海から大型のエゾガロアムシ

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休みもないし、ネタもないので、気がつくと1週間以上ブログを更新していませんでした。
一応、怪我とか病気とか、ヒグマに襲われたとか、スズメバチに刺されたとかではありません。

今回、日高山脈北部でエゾガロアムシの生息確認してきました。
生息範囲内なので、新産地を見つけるより楽観的に探索できる・・・と思っていました。

林道を奥深く侵入し、いい感じの沢を見つけました。
標高は約700m


遡上して気付いたのだが、斜面がかなり急で、行く手を阻む大岩が多く、しかもやたら足場が滑る。マダニのおまけ付。
エゾガロアがいそうなポイントは少なくないが、斜面の上の方に不安定な大岩がゴロゴロしており、うかつに掘ると落石や土砂崩れを誘発しそうな場所だらけ。
今回、冷や汗をかく状況がいくつもあり、今までのエゾガロア探索の中で一番危険でした。
落石はエゾガロアムシ探索に付き物だが、落命の危険だけは勘弁です。

思い切った掘削ができない歯がゆさを感じながら探索を続けていたが、すぐに出てくると思ったエゾガロアもなかなか出てこない。
常連のジムカデやコムシすら稀。
疑問に思い、辺りの地形を観察すると、この沢脇の斜面は頻繁に崩落(軽い地滑りレベル)している形跡が多々あった。
このように地盤が弱く不安定な場所は、その地下に生息する生物にとって死活問題なので、必然と寄り付かなくなる。これが原因らしい。
そこで、あえて定石であるガレ場を狙わず、草が生えている緩やかな斜面の地中にある礫層を探すことに作戦変更。
すると、やっとジムカデやコムシが出てくるようになった。


メクラチビゴミムシの一種
ヒダカメクラチビゴミムシの記載産地にかなり近いので、夕張山地のズンドウ系とは異なり、前胸背部後方がしっかりとくびれている。
コンスタントに出てきたので個体数は多そうだったが、これが出るとエゾガロアの生息環境よりやや多湿な感じがある。


エゾガロアムシ(♀)
なかなか出てこないので場所替えを考え始めた頃、やっと出てきました。
それより、この個体、かなりの大型。
これには驚きを隠せず、発見時思わず「でかっ!」と叫んでしまいました。


一般のサイズは約20mmだが、この個体は25mmほど(まだ正確に測っていません)あり、本州のガロアムシとオオガロアムシの差に匹敵します。
この個体は放卵または満腹時らしく腹部が膨らんでいるが、普通のエゾガロアムシがこの状態になってもここまで大型(体長が伸びない)にならない。

これから一般のエゾガロアムシと形状の違いなど詳しく調べていきます。
単なるエゾガロアムシの異常個体かもしれないし、亜種や別種であるかもしれません。
ちょっと確認した時点では大きな違いはなさそうです。
本当はもっと成虫のサンプルが欲しかったのですが、体力が限界だったので、これは別の機会に。


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