10日ほど前の話になるが、ある高地にある湿原を探索した。
この湿原まで4~5kmくらい歩くが、道はほぼ平坦で整備されており歩きやすい。
ただ湿原までは蚊やブヨが多く、休憩のため立ち止まると餌食になる。
虫除けスプレーは持続性がなく、防虫能力も低く、皮膚に不快感があり、不満だったが、今年から携帯式の蚊取り線香(林業用の赤函)に変えてみると、持続性もあり、ほとんど刺されなくなった。
この効果を体感してしまうと虫除けスプレーを使いたいと思わない。
(ただ強力過ぎて、いくつか欠点がある)
モウセンゴケやミズゴケが豊富な高層湿原。
上川町の浮島湿原やニセコの神仙沼に匹敵するくらい美しい湿原だが、意外に知られていないのか、湿原までのルートが単調で長いのが原因か、探索中誰ともすれ違わなかった。
その分、静かで、落ち着いて探索できるので、こちらにとっては好都合だが。
沼もあるので、抽水植物やコウホネなどの浮葉植物も豊富。
メススジゲンゴロウとかいるかもしれない。いや、いるはず!
カオジロトンボ Leucorrhinia dubia orientalis
高層湿原ではお馴染みのトンボ
他にトンボはコサナエが飛んでいたが、イトトンボ類やヤンマ類は見当たらなかった。
キヌツヤムズクサハムシ Plateumaris sericea
スゲの花に集まるお馴染みのネクイハムシ類
オオルリオサムシのようにカラーバリエーションが豊富で、特に雄に見られる青色はサファイアのようで美しいの一言であるが、普通種なので人気はイマイチ。
シラハタミズクサハムシ Plateumaris shirahatai
キヌツヤミズクサハムシに酷似するが、触角・前胸背部・尾節板の微妙な違いからなんとか区別できる。(個人的には3つの特徴が一致しないと本種として認めないことにしている)
細かい部分なので帰宅してからじっくり調べるのが無難。現地で区別するにはやや面倒レベル。
ニセヒラタネクイハムシ Donacia tominagai
今回の目的のひとつあるネクイハムシ。
こちらもスゲの花に集まるが、前出のキヌツヤとシラハタの2種とは異なるスゲに集まっていたので、棲み分けしているのかもしれない。
前者2種はカサスゲのような果胞が大きく膨らんだスゲ、ニセヒラタは葉や穂が細いスゲに好む傾向にあった。お陰で探しやすい。
それにしても何回撮影してもピントが合わずイライラ・・・イライラ・・・イライラ・・・
もたもたしているから被写体もしびれを切らして飛んで行ってしまう。
ニセヒラタネクイハムシ♂(左) ♀(右)
キタヒラタネクイハムシと似ており混生しているらしいが、ニセヒラタネクイハムシは体色が主に黒色~黒紫色をしているので区別はしやすい。
ニセヒラタもキタヒラタも写真のような紫色の個体が少ないながら存在する。
ただ、ここの生息地にはキタヒラタらしき個体(体色が銅色)が見つからなかったので、この個体もニセヒラタとしていいと思う。
湿地探索は続く。
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夏の湿地探索①
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