以前、カワシンジュガイを見つけた場所。
そこに生息する個体はカワシンジュガイMargaritifera laevisではなくコガタカワシンジュガイMargaritifera togakushiensisではないだろうかと疑問があり、確認してみることにした。
生息地の沢
増水しており川岸まで降りられる場所がなかなか見つからず。
流れも急で、水は若干の濁りあり。
小石と砂が溜まった瀬
長靴を履いていざ突入。
足で川底を掘り起こしながら探していくと・・・
ぽろりと姿を現したカワシンジュガイ属の貝。
悠長に撮影していると、貝が流されそうになり焦る。
殻長7cm
最初の個体があっけなく現れたので、数個体はサンプルとして得られると期待したが、それ以降さっぱり・・・
個体密度が低い生息地なので、備中鍬を使用すれば少しは効率的に得られたかもしれない。ちょっと甘く見てた。
両種の区別は外形では難しいが、貝殻内の前閉殻筋痕の形に違いがあり、区別の目安となる。
カワシンジュガイは緩やかに弧を描いた丸い耳形状で、コガタカワシンジュガイは大きく折れ曲がり尖った耳形状となる。
この個体は、前閉殻筋痕の形状からコガタカワシンジュガイMargaritifera togakushiensisということが判明した。
問題はこの2種が混生しているのか、コガタカワシンジュガイのみ生息かという事だが、確認したサンプルがこの個体のみなので、今回は保留。
ちなみに環境省RDBでカワシンジュガイMargaritifera laevisは絶滅危惧Ⅱ類(VU)、コガタカワシンジュガイMargaritifera togakushiensisは絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)に指定されている。
↧
どちらの真珠?
↧