エゾガロアムシ探索の際、最初にマルクビゴミムシ類がよく出てくる。
ゴミムシ類をいちいち気にしていたら、本命が疎かになるので、なるべく無視するようにしているが、今回ルリマルクビゴミムシについて気になる事があり確認してみた。
左:石狩山地産 右:夕張山地産
石狩山地産は基亜種Nebria shibanaii shibanaii
この2タイプの形態に大きな差はないが、夕張山地産が亜種として分類されるのかは分からない。
左:樺戸山地産 右:天塩山地南部産
樺戸山地産は、上の2タイプと比べて「ふ節」と触角の色がやや明るく、黄褐色となり、若干ではあるが上翅の横幅に膨らみがある。
天塩山地南部産の脚は「ふ節」から脛節まで黄褐色で明瞭に明るく、上翅が他産地のようなスレンダーな長卵形ではなく、短く丸いので、全体的に「ずんぐりむっくり感」がある。
ルリマルクビゴミムシは前胸背部が心臓形で後方に強くくびれるのが特徴だが、この産地の個体はくびれが緩やかで、全体的に幅広いところも気になる。
形態の違いが一目瞭然なので、採集時、本当にルリマルクビゴミムシなのか何度も確認したくらいだ。
これは実に興味深い。
天塩山地南部産
うん、やっぱり、見慣れたルリマルクビゴミムシとはちょっと雰囲気が異なる。
樺戸山地の採集地と天塩山地南部の採集地は約40kmほど離れているが、地理的に大きな隔たりはなく、繋がっていると言っていい。
樺戸山地が夕張山地と天塩山地の中間地点で、形態も中間的なことから、夕張山地→樺戸山地→天塩山地と北へ移行していくのではないだろうか。(あくまでも個人的な推測)
以前、天塩山地北部で探索した際、マルクビゴミムシを多数掘り出したが、もしかするとその中に基亜種とは大きく異なったルリマルクビゴミムシ(?)が混ざっていたのかもしれない。
機会があったら留意して探してみようかね。
※ 地図は国土地理院HPから地図を加工して作成
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気になる瑠璃
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