前回の続きです。
標高100mほどのポイントでの成果が芳しくなかったので、場所変えしてみました。
先のポイントで無駄に体力と時間を消耗してしまいましたが、遠征までしてこの結果(幼虫×2)では帰るに帰れません。
ダメなら日没まで粘って成虫出してやる・・・といった無謀な意気込みで挑戦です。
標高400mあたりでいい感じの沢を見つけたので、遡上してポイント探し。
すると大規模なガレ場を発見。(落ち葉で覆われて分かりづらいですが、斜面一帯がガレ場となっております)
今まで見たことのない大規模なガレ場で期待度は高まりましたが、どこから探し始めていいものかと、しばし途方に暮れてしまいました・・・
(写真左のスコップがある場所が一番怪しいと選んだ掘り始めのポイント)
ガレ場(礫層)を掘って間もなく幼虫を確認。
この後、幼虫が次々と出てきます。とても良好な生息環境のようです。
下層(地下30〜50?)は礫間の隙間が狭くなるので若齢幼虫が多くなり、隙間が広い上層で中齢〜老齢幼虫が増えますが、上層でも成虫が一向に現れません。
体力的に限界が近づいた頃、ふとガレ場上部に積もった落ち葉層を取り除いたところ、エゾガロアムシの老齢幼虫が出てきた。(写真ボケボケ)
もしやと思い、近くの落ち葉層の下を確認すると、あっさりと幼虫が!
しかも礫層内よりこちらの方が明らかに個体密度が高い。(ただし若齢はいません)
『推測だが、ガレ場の礫層上部を雪で圧縮され蓋をするように落ち葉層が形成され、2層間の湿度と温度が適度に保たれていたのが原因か。
落ち葉層が圧縮されずにふんわりと堆積した状態なら外気温に影響されるので、今回の様な結果にはならなかっただろう。』
それにしても、体力の消耗が少なく容易に探せるので、もっと早く気付けば良かった・・・
この落ち葉下探しに変更し、しばらく頑張ってみた結果、カウントを途中で止めてしまいましたが、幼虫を30個体以上は確認できました。(もっと多いかも)
しかし、広範囲の落ち葉層下を探したにもかかわらず、成虫は結局確認できませんでした。
これ程、各サイズの幼虫を多数確認したのに、成虫が1個体もいないのは、さすがに異常に感じます。
探している場所は間違っていないはず。時期も他の産地では成虫を確認している。
ということは、ここの産地では成虫で越冬しない(短命)、もしくは冬前に激減するか、昨年成虫になんらかの悪影響があったかと考えられる。(あとは運がなかったか?)
もう遠征したくないが、体力と気力があったら秋前にもう一度確認してみましょう。
オオセンチコガネ
エゾシカが多い地帯では、糞虫もしばしば掘り出すことがあります。
この時期なので、この個体は越冬中。
昨年羽化した個体なので光沢はやや褪せておりますが、それでも十分ピカピカしております。
エゾオオサクラソウ
道東(日高山脈を含む)と道北の一部に分布する。
北海道RDBでは希少種に指定されているが、ここの谷部ではたくさん確認できた。
植物の紹介なんて、このブログでは珍しいでしょ?
長距離運転には欠かせない眠眠打破。今回は遠征&睡眠不足&体力消耗を考慮し、更に高価(?)で強力といわれる「強強打破」を飲用。
このタイプのドリンクに体(脳)が慣れてしまったのか、探索で効能以上に疲れ過ぎてしまったのか、効いているような効いていないような・・・
効果って、飲用していない同条件との対照実験しないと証明できませんよね。
一応、危なかったら途中で注射(何の?)・・・いや駐車して仮眠を取ろうと思いましたが、強力な睡魔には襲われず無事帰宅できました。
総走行距離440?、総時間16時間(内半分が運転)
最後に帰宅しようと車に乗ったところ、フロントガラス付近を歩いていたダニ。
驚いて直ぐに停車して除去。着ていた衣服を再確認。
よく見かけるシュルツェマダニではなくフタトゲチマダニだった。
今回は深い藪内を歩かなかったので油断していました。反省。
種類は違えど、吸血ダニなので処刑するつもりでしたが、撮影後に風が吹いて飛ばされてしまい、不本意ながら助けてしまう失態。こうなったらマダニの恩返しを期待します。
ちなみに吸血されませんでしたが、ブヨは僅かに発生していました。
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天馬を上る(日高山脈のエゾガロアムシ採集)?
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