前回、エゾガロアムシの終齢から成虫になるまでの過程についての記事を記載したが、訂正箇所が出てきたので、改めて書き記すことにした。(前回の記事は削除済み)
わたし個人の飼育による結果をまとめております。
過程は他の昆虫と比べて特殊。
左:亜成虫♀ 右:新成虫♀
終齢幼虫が脱皮して亜成虫(※1)となる。
亜成虫は幼虫同様、白色であるが、将来雌となる幼虫には見られなかった産卵器がここで初めて現れる。
(キリギリスやコオロギとは異なる過程)
野外では夏から秋にかけて亜成虫を見かける頻度が高くなる。
幼虫のように頻繁に動き回らず、一ヶ所(狭い空間)で落ち着いている事が多いため、捕食することは少ないと思われる。(飼育下では給餌すると食べる)
各齢幼虫期間(脱皮してから次の脱皮までの期間)が少なくとも6ヶ月であるのに対して、亜成虫は約1ヶ月ほどで更に脱皮し、新成虫となる。
一ヶ所(狭い空間)で落ち着いている事が多い理由は、亜成虫期間が短いため、既に脱皮待機中ではないかと思われる。
上:亜成虫♀ 下:新成虫♀
脱皮したての新成虫はまだ体色が薄いが、徐々に濃くなり、数日後には飴色となる。
上:亜成虫♀ 下:新成虫♀
亜成虫の産卵器は短く柔らかい。
新成虫になると、産卵器は更に発達し、先端が尖る。
亜成虫から新成虫になったときの脱皮殻(矢印は産卵器部分)
実はこの脱皮事実を証明するのに時間が掛かった。
脱皮後に殻を食べてしまうのか、飼育環境が多湿なため殻が短時間で溶けて崩れてしまうのか、完全な脱皮殻を得られることが難しいのである。
本当は毎日観察して脱皮の有無を確認したいところではあるが、ストレスを与えすぎると脱皮せずに死ぬ個体も多く、頻繁に観察することはなるべく避けたい。
今回は脱皮しそうな亜成虫数個体を2~3日おきに観察し、なんとか状態の良い脱皮殻を得ることができた。
ただ一部の新成虫は観察タイミングが悪く、脱皮不全にしてしまったが・・・(想定内)
※1 以下の理由からこのステージを亜成虫として扱っております。(個人的に)
・ 幼虫には見られない産卵器がここで初めて現れる。(雌のみ)
・ 各齢幼虫期間(脱皮してから次の脱皮までの期間)が少なくとも6ヶ月であるのに対して、亜成虫~新成虫までの期間は約1ヶ月とかなり短い。
・ 幼虫のように頻繁に動き回らず、一ヶ所(狭い空間)に留まっている事が多い。
あくまでも推定だが、完全変態の蛹に当たるステージなのか、カゲロウのような「幼虫→亜成虫→成虫」という半変態といった過程なのかもしれない。
↧
エゾガロアムシの成虫になる過程・改
↧