前回のカラフトトホシカミキリ探索記事と同日。
札幌の山地でヒメウスバシロチョウの幼虫を探してみた。
4年前に撮影しているが、ふと再び見たくなった。
4年前は5月23日確認だったので今回は10日ほど早い。
雪がようやく融けてエゾエンゴサクがやっと見頃。
周辺は甘くて優しい香りに包まれる。
この香りは春の風物詩。トイレの芳香剤で「エゾエンゴサクの香り」があったら迷わず購入するだろう。(しっかりと香りが再現できているのが条件だけど)
さて今回は花を愛でることなく、葉のみに注意を払い食痕を探すことに徹する。
エゾエンゴサクに混じってイラクサがトラップとして隠れており、不注意により1度刺されてしまった。
食痕1
食痕2
チョウの幼虫は食草自体に付いているのが普通で比較的探しやすいが、本種の幼虫は食事以外は葉に付いていることはなく、ほとんどの時間は地面に潜んでいるため、まず食痕を見つけ出してから、その周りの地面を探さないといけない。
しかも食痕が全てヒメウスバシロチョウのものとは限らない。
例えばこんな幼虫とか・・・
誰?
フキバッタ類の幼虫が食した痕だったりもする。
前回のカラフトトホシカミキリの件といい、フキバッタ類はわたしの探索の障害となっている。
慣れれば食痕の状態で大体の区別はでき、葉の縁側から食べられていないのはヒメウスバシロチョウではないので除外した方がいい。
で、これが食痕があったエゾエンゴサク周辺の地面から見つけ出したヒメウスバシロチョウの幼虫。
落ち葉や枯れ草に紛れ、保護色となっているので、探し出すのは容易ではない。
(と言ってもコツ次第)
時期が少々早いので小さな若齢しかいないと思ったが、想像以上に成長していた。
おそらく終齢だろう。
見た目は蛾の幼虫のような地味っぷり。
この辺りは極めて稀にウスバシロチョウもいるらしいが、幼虫は未だに見たことがない。
ウスバシロチョウ幼虫はヒメウスバシロチョウ幼虫より黒みが強く、側面の白帯上に黄橙色の斑紋が並ぶのが特徴。
実は本種の卵というものを探してみたいと以前から思っているのだが、成虫が発生する頃にはエゾエンゴサクは枯れてなくなってしまう(地下茎のみとなる)ので、産卵は地面の枯れ枝や石にするという。
これを探し出すのはとても難しそう。
成虫が産卵しそうな場所で産卵行動する個体が現れるまでひたすら待ち続けるか、付近の枯れ枝を片っ端から拾って確認するしかないのだろうか・・・
それを考えると面倒だが、興味があるので挑戦してみるつもり。
こういう方が攻略し甲斐がある。
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甘い香りに誘われて
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