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Channel: 探索・採集・飼育みたいな雑記的記録
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湿原の青い宝石

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札幌でソメイヨシノの開花宣言されたこの日(29日)、釧路湿原へ「湿原の青い宝石」(キタサンショウウオの卵)を見るために片道330kmの超遠征。
少し早めではあるが、札幌の桜の開花は平年よりも早いという事で、産卵も始まっているのではないかと。
あと数日後なら確実だと思うが、GW中の休日がこの日しかないので仕方がない。

行きの高速走行中、フロントガラスに鳥(おそらくトラツグミ)が激突するというトラブルがあったが、車の損傷はなく一安心。
時速100km以上の走行だったので、すごい衝撃音だった。
ガラスが割れなかったのが不思議なくらい。
帯広を通過し一般道に入ると今度はエゾシカがぞろぞろ路中に飛び出してきて、危ないこと山の如し。
あれだけスピードを出していたのに急に慎重運転となる。
道東はエゾシカの密度が高すぎて、毎回冷や汗をかかせられる。


早朝の釧路湿原に無事到着
雲一つなく、風もない、探索神が降臨しそうな探索日和・・・だが、気温は氷点下。
湿原一帯が霜で白色化しておりました。

エンコウソウやネコノメソウなどの開花もなし。
エゾノリュウキンカは小さな葉が出ているだけ。


釧路市の天然記念物に指定されている妖怪「谷地坊主」
うかつに近寄ると集団で襲われ、湿地に引きずり込まれる・・・んなわけない。
だが今回の探索の同行者は、ずっぽりと引きずり込まれて散々な目に・・・(2度目)


湿原の池塘
・・・完全に凍っておりました。由々しき事態。
薄くて膜のような氷ではなく、窓ガラスくらいの厚さで簡単には割れない。
池塘の氷はおそらく昨晩から今朝に一時的にできたものらしく、氷の下にはエゾアカガエルの卵がたくさんあり、かなり成長していたが、水深が浅い場所では完全に凍結していた。
目的のキタサンショウウオの卵嚢も少しはあるかと念入りに探してみたが、残念ながら「青く輝く宝石」は全く見つからなかった。
エゾサンショウウオはエゾアカガエルより産卵が早い傾向にあるが、キタサンショウウオは遅いようだ。


氷のすぐ下で見つけた産卵待機中のキタサンショウウオ成体
凍結死しているかと思ったが、氷を取り除くと少し動き出した。
もう少し気温が低かったら氷の中に閉じ込められてしまっただろう。
全長は約10cm、エゾサンショウウオなら亜成体サイズ。
実は野生の成体を見たのは初めてなので、1個体でも成体が見られただけでも今回の探索に成果があったとしよう。

キタサン産卵祭は3〜5日後かな。


それにしても釧路湿原はミズグモの個体密度が高い。
池塘に沈んだ枯れ草やミズゴケを動かしただけで、ミズグモ成体がポロポロ水面に浮いてくる。
しかも取り除いた枯れ草やミズゴケをよく見ると稚グモも多数潜んでいることもあった。
苫小牧の湿地では考えられない。5分もあれば苫小牧の3時間以上の成果が得られると言っても過言じゃないだろう。
池塘という狭くて隔離された環境は魚などの外敵が少ないのが原因かと思ったが、ヤゴやゲンゴロウは普通にいる(はず)のでそうでもないらしい。
ちなみに釧路湿原産は苫小牧産よりやや大型傾向にあるように思えた。


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