昨年の初冬に夕張山地で採集した種不明のヒラタクチキウマの幼虫(♂)
同定するのが目的で、成虫になるまで飼育している。
雌の成虫は既に昨年の初冬に採集済みで、産卵管の特徴からマツモトヒラタクチキウマと推測していたが、雄の成虫も確認してみないと納得いかなかった。
3ヶ月で3回の脱皮を経て成虫となった。
あれ?2回だっただろうか?最近忙しくてバタバタしていたからすっかり忘れてしまった・・・
脱皮回数は今回重要じゃないとはいえ、しっかりと記録していないと後々後悔することになる。
ヒラタクチキウマは複数で飼育するより単独で飼育した方が脱皮不全の危険が低く、効率がいいようだ。
餌は野菜と熱帯魚の餌で、あまり食べている痕跡がなく心配だったが、糞はたくさんしていたので一応食べていたのだろう。
いつも落ち葉上に静止しており、落ち葉を持ち上げてもカメラを近づけても動かないが、触覚に触れると敏感に反応する。
尾肢の形状とその他の特徴から「マツモトヒラタクチキウマ」と思われる。
本種は石狩山地と天塩山地、利尻島に分布しているが、今回、夕張山地にも分布していることが分かった。
北海道中央部を南北に分布しているらしい。
本種はエゾヒラタクチキウマとツヤヒラタクチキウマの分布域と一部重なるが、これら3種が混生しているのか棲み分けしているのかは不明なので、今後調査してみたいところ。
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成虫まで育てて謎を解く
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