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Channel: 探索・採集・飼育みたいな雑記的記録
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最北マイマイを探せ!

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北海道に生息する中型〜大型のカタツムリと言えば、エゾマイマイ、ブドウマイマイ、サッポロマイマイ、ヒメマイマイ、そして今回の目的であるホンブレイキマイマイ。
ホンブレイキマイマイは道北・道東・礼文島に生息し、札幌在住のわたしにとって一番確認困難な種であります。
しかも資料は乏しく、生態、生息地の詳細などはほとんどわからない状態。

先日、タケシンさんが礼文島で確認したということもあり、わたしとしてはなんとか道北(北海道内)で見つけたい。
そこで日帰りで行けそうで、生息の可能性が高そうな稚内市を選択。
(ちなみに札幌から稚内までは車で最速で4時間半くらい)


稚内市の山地付近に流れる小さな川
川の両岸が斜面になっていて、草木が生い茂る薄暗くて多湿な環境を見つけ、早速探索開始。
地面近くにいるらしいので、ヒメマイマイ探しと同様、地面や膝丈くらいの葉上(特にシダ類)を念入りに探していくと、地面でカタツムリを発見。


よく見ると、色帯が1本のカタツムリ(写真上段)であった。
ホンブレイキマイマイの特徴は色帯が1本または色帯なしということで、これが目的のホンブレイキなのかと興奮したが、どうも釈然としない。
殻のみ写真が載っている資料では、ヒメマイマイと似たイメージだが、先日、タケシンさんが礼文島で確認された情報では、ヒメマイマイとは明らかに異なるという。
これは怪しい・・・

更に地面付近を探していくと、同じようなカタツムリが複数出てくる中、色帯なし型(写真中段)と色帯2本型(写真下段)が現れた。
・・・これ、全部ヒメマイマイだと、ここで確信しました。
(色帯2本型がここでは多い傾向でした。)
この色帯2本型が出てこなかったら、色帯1本型をホンブレイキと勘違いし、満足して帰路についていたかもしれないことを考えると、鳥肌が立つ。
これは不幸中の幸いか。

結局、ホンブレイキはここで出てこなかったので、もう少し北へ移動。

鮭がたくさん遡上していた川
最初の川より、やや明るい環境で平地に流れている。
酪農地帯だが、付近には熊出没の看板あり。
ここならヒグマも簡単に鮭を捕まえられそう。


岸辺はフキやイタドリ、イラクサなどの草が生い茂っている。
探索開始前に、ふとフキの葉上を見ると、見たことのないカタツムリが・・・


殻の膨らみが強く、殻表には細かくて粗い成長線がある。
色彩の雰囲気はエゾマイマイに似ているが、明らかに異なり、やや小型で、殻には色帯が1本。
まさしく、これがホンブレイキマイマイであります!


辺りの葉を探してみると、ここにも!


探せば簡単に見つかり、個体数は多い。写真上のタイプが多かった。
確認した全ての個体が、葉上に付いており、草丈は腰から胸の辺りの高さで、想像していたより高い位置におりました。
地面付近にはヒメマイマイのみでホンブレイキは確認できず。
最初の場所で、地面近くを探して見つからなかったのは、このためか・・・。
(念のため、最初に探索した場所に戻って、フキの葉を探すとあっけなくホンブレイキが出てきました)

ヒメマイマイとは外見も、生態(好む環境や行動)も異なるようで、逆にエゾマイマイの方と似ているように感じた。


ホンブレイキカイマイの幼貝と思われる個体
色帯は1本で、殻と軟体が黄色味が強くて美しかった。
小さな個体は、更に高い位置にくっ付いていることが多かった。


万が一、ヒメマイマイだったら困るので、飼育してホンブレイキなのか確認します。


それにしても稚内の日帰り往復は本当にキツイ。
運転手を雇いたいくらいだった。
帰路の途中、疲労が頂点に達したので、高速のPAで停車して車内で寝ようとしたが、慣れないのか寝付けない。
強強打破も2本準備したが、3〜4本は必要だったかも。(中毒者みたい)


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