カドバリウム・・・なにそれ?
福岡県で自然写真家をされているタケシンさんが、九州〜本州〜北海道と各地のカタツムリを撮影しながら来道され、この日(9月5日)はカドバリヒメマイマイ(ヒメマイマイの地域変異)を探して撮影するということで一緒に探索してきました。
前日は札幌で洪水警報が出るくらいの大雨。
いくらカタツムリが雨好みと言っても探す方はさすがに厳しいと心配していたが、当日は曇りで小雨がたまに降るくらいとカタツムリ探しにベストな天候になりました。
朝7時半に現地付近でタケシンさんと合流。
途中採集された本州産のカタツムリを見せて頂き、その分化の過程などの説明にわたしは興味津々でありました。
カタツムリはワクワクするほど奥が深い。
今まで注目していなかった分、これから楽しめそう。
生息地の林道(というか道は草で覆われて「けもの道」っぽくなっていた)
林道に入る手前の舗装道路脇にボロボロになったカドバリの空殻(死貝)があったので、この周辺が生息地だろうと確信。
林道脇の斜面
地面には湿った落ち葉が堆積しており、岩が露出した環境。
石灰岩地に生息するヒメマイマイは角張り傾向にあるが、この辺りの岩が石灰岩であったかは分からない。
下草が疎らであったため、地面を隅々まで探すことができた。
カドバリヒメマイマイ
探し始めてまもなく生体(成貝)を発見。
これは落ち葉上にいた個体を移動させて撮影しております。
うん!ナイスカドバリ!!(?)
低い位置の葉上でもカドバリっぷりを披露しておりました。
この日、晴れていたらこのように這っている個体は見れなかったかもしれない。
これが今回一番よく撮影できたカドバリヒメマイマイの生態。
結果:生体(成貝)×5と空殻を多数確認。
他にサッポロマイマイやエゾマイマイも確認できたが、最終的にカドバリヒメマイマイを一番多く見つけることができた。
小さな個体は成貝より個体数が多いはずだが確認できなかった。
どこに隠れているのだろう?
状態の良い空殻を標本用に持ち帰りました。
ほとんどは色帯なしでしたが、1つだけ色帯がありました。
珍かもしれないので生体を探してみたが見つからなかった。
ただ、写真の色帯あり殻は角張りの位置がやや低く、扁平型に近い角張り型といったところ。
場所移動してブドウマイマイの撮影。
個体数が多くて、お腹いっぱいという感じです。
カタツムリにも性格の傾向いうものがあって、ヒメマイマイやタカヒデマイマイは警戒心が強く、一度殻に引っ込むとなかなか出てこないが、エゾマイマイやこのブドウマイマイはいじってもあまり動じない性格です。
最後に札幌に戻り、タカヒデマイマイの産地へ移動。
最近なかなか確認できなく、今回もわたしがいる夕方には見つけられなかったが、夜間、タケシンさんが再挑戦して3個体確認したという報告をもらい、一安心。
夜行性が強く、昼間は岩の隙間に隠れていて滅多に出てこないのだろう。
久々に見てみたいので、今度、夜に行ってみようかな。
おまけ
今回、唯一昆虫に目がいったのは、このアイヌヨモギハムシのみ。
それだけカタツムリに注目していた探索でした。
今回、タケシンさんと単独探索では味わうことができない充実した探索ができ、そしていい話をいろいろ聞くことができました。ありがとうございます。
もっといろいろ話をしたかったのですが、限られた時間だったので残念です。
あ〜、もう一日休み取りたかったなぁ・・・
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カドバリウム計画
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