苔はいい。種類には詳しくないが、風情があり見ていると落ち着く。
今回はそんな苔が生える環境に生息する昆虫(ゴミムシ)を探してみた。
想像通り、全てミズギワゴミムシの一種だったが、なかなか面白かった。
苔も日陰で湿った場所や、日当たりが良く水辺に近い場所に生えているものなど環境に若干の違いがあるが、共通するのは多湿(水分の供給がある)であるということ。
このような水辺に近い場所はミズギワゴミムシ類が潜んでいたりする。
クリイロコミズギワゴミムシ Tachyura fumicata
もしくはウスモンコミズギワゴミムシ Tachyura fuscicauda
体長2mmほどの極小ゴミムシ。
体色が赤褐色なので、一見チビゴミムシの一種であるかと思うような風貌。
日陰にある湿った厚みのある苔を好むようだ。
小さいが個体数が多いので、ひと塊の苔からたくさん見つけることができ、ある意味一番目立っていた。
ウスモンミズギワゴミムシ Bembidion cnemidotum
体長4.5mmほど。
写真では分かりづらいが、上翅末端付近にぼんやりとした斑紋がある。
カギモンミズギワゴミムシ Bembidion pohlei
体長4mmほど。
上翅末端にコンマ状の斑紋がある。
このように上翅に斑紋があるミズギワゴミムシは多く、サイズも斑紋の形も似ているので区別が面倒に感じてしまう。
ウメヤルリミズギワゴミムシ Bembidion umeyai
体長4mmほど。
青色の金属光沢があるプチ美麗種。
走光性が強く、光を当てると直ぐに飛翔するため、室内での撮影は困難だった。
しかも光を上手に当てないと綺麗に輝いてくれないため、杜撰な照明で撮影すると単なる黒いゴミムシっぽくなる。
偶然発見した事だが、耐寒性が低いらしく、冷蔵庫に数時間入れただけで衰弱したのは興味深かった。(一緒に入れた他のミズギワゴミムシ数種は問題なかった)
北海道RDBで希少種に指定されているが、最近詳しい生息環境が判明したおかげで見つけやすくなり、各地で新産地が見つかっているようだ。
今後、各地で生息地が見つかると予想され、希少種でなくなる日も近いかも。
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in the moss
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