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Channel: 探索・採集・飼育みたいな雑記的記録
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楽した登山では珍は得られない。

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日高山脈にある亜高山帯の山に登り、探索してみた。
登山口までの林道は長く、やや悪路だが、登山口から頂上までの距離は短いので、体力の消耗を気にすることなく探索できた。
山頂までの登山道付近は笹とハイマツ地帯で、見たことのない多種のハエが無数に飛んでいた。双翅類屋さんだったら泣いて喜ぶであろう環境だろう。
スイーピングしてもハエばかりで、「珍」は皆無。
わざわざ登山した意味が・・・。

途中、大きなダケカンバがいくつかあり、めくれた樹皮の隙間に何かいないか確認するとヒラタクチキウマが隠れていた。
捕まえようとした僅かの隙に飛び跳ねて逃げられること数回。
毎回同じタイミングで逃げられ、心が折れそうになる。
意地になって、なんとかペアの捕獲に成功。(時間掛かった・・・)
これで種を同定できる。
日高山脈なので「ヒダカヒラタクチキウマ」か「ツヤヒラタクチキウマ」のどちらかだろう。

こちらは雄


左:♂15mm 右:♀18mm
雄の前胸背板は広く窪み、その中に逆八の字の溝とその後方に1つの横溝があり、ヒダカヒラタクチキウマの特徴と一致する。


「雄の尾肢」
黒褐色で、先端は尖ってはいない。
ヒダカヒラタクチキウマは長く、黒褐色で先端はあまり尖らない。ツヤヒラタクチキウマは黄褐色で尖る。



「雌の産卵器」
下片の鋸歯数は6
ヒダカヒラタクチキウマは5~6、ツヤヒラタクチキウマは5~7
区別できるためには7しか選択肢がない・・・

いくつかの特徴からこの個体はヒダカヒラタクチキウマ Alpinanoplophilus yasudai で間違いないだろう。
本種は北海道産ヒラタクチキウマの中でも最も珍度が高いと言われているが、今回探索した場所では、樹皮下(大きな樹皮の裂け目の奥)でかなりの確率で見られたので個体数は多いようだ。


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