先日、札幌に降った大雪は市街地ではほとんど融けてしまったが・・・
札幌でも郊外の山地へ行くと、たっぷり積もっており、すでに真冬状態。
深いところでは30cm以上の積雪で、歩くにはスノーシューがないとキツイ。
雪質はやや湿ったベタ雪状態。
この時期になると、見かける生物も激減するし、探索に出掛けるのも億劫になる。
自宅にこもりがちにあるが、少しは探索しないとストレスが溜まるので、たまには出掛ける。
クモガタガガンボの一種 Chionea sp.
複数活動していた。
この個体は雄で、今まで見たことがないくらい大型で驚かされた。
こちらは雌。
大型種と小型種の2タイプが見られ、おそらく別種ではないかと思われたが、容器に入れると交尾した。(交尾したからと言って同種とは限らないが・・・)
「クモガタガガンボは夜行性」という説があるが、わたしはこの説には疑問を感じている。
彼らが活動できる温度は+1.5~-6.5℃で、特に0℃くらいが適温のようだ。
これより低い気温になると、寒さに耐性のある彼らもさすがに凍死する。
今の時期(11月)、夜~明け方なら彼らの適温なので、活動するのは理解できる。
実際、今回の写真の個体を撮影したのは早朝6時で、おそらく夜間雪上で活動していたと思われる。(撮影場所の夜の気温は約0度)
しかし、真冬(12月中旬~2月)から夜間はそれを下回る気温となり、活動できる状態にはない。
この頃になると、晴れの日の気温が上がる午前10時あたりから活動し始め、夕方になると見かけなくなる。早朝や夜間にはまず見かけることはない。
このことからも、少なくとも北海道に生息するクモガタガガンボは適温なら昼夜関係なく活動するのではないかと考える。
要するに厳冬期に近づくにつれ、活動時間が夜間から日中に移行するという事。
厳しい環境、しかも活動気温が狭い範囲で活動する彼らは、効率良く「相手に出会い~交尾~産卵」しなくてはいけないのに、夜間のみ活動するのはリスクが高すぎる。
12月にはいなくなるフユシャクとは訳が違う。
実はもうひとつクモガタガガンボに関する説で疑問に思っていることがあり、只今調査中。
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クモガタガガンボの活動について
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