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Channel: 探索・採集・飼育みたいな雑記的記録
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エゾガロアムシ分布域更新

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エゾガロアムシの新産地を探すために遠征してきました。
今回の成果については、ここでの詳細を控え、大まかな結果報告で済ませます。


エゾガロアムシは石狩山地・夕張山地・日高山脈が分布域(赤色の部分)であったが、一昨年、わたしの探索で北見山地での生息を確認し、昨年は中頓別町(青い丸印部分)まで確認することで北見山地ほぼ全域に分布することを明らかにできた。

今回の目的は北見山地の西隣にある未だ生息確認例がない天塩山地(緑色の部分)。
以前から場所を変えつつ探してはいるが、V字谷やガレ場、適度な礫層というガロアムシが好む環境がほとんどなく、まともに探せていないのが現状であった。
天塩山地はエゾガロアムシにとって不毛の土地なのか。

天塩山地は夕張山地・石狩山地とは石狩川で隔離、北見山地とは天塩川で隔離されているが、実は北見山地南部と天塩山地南部は僅かながら低山地で接している箇所があるため、エゾガロアムシが生息していないとは考えられなかった。(というか思いたくなかった)


今回探してみた沢
小さなヤマメかオショロコマが泳いでいた。
蚊が多い・・・


沢脇の斜面は高さが1mほどと低く、無いに等しい。
埋まっている礫も丸みを帯びた重たい石ばかり。
それでも斜面の礫間に適度な空隙がある場所もあるので悲観はできない。
以前探索した場所(天塩山地)と比べると遥かにマシなのだから。
笹などの下草と枯れ枝、木の根を除去してから掘る作業に入るが、太い木の根が張って障害となる場所が多く、良い場所があっても掘れる場所はかなり限られた。

掘ると土質は粘土ではなく砂の混じった赤土で、やや乾燥気味ではあるが湿気はあった。
しかし他産地で掘ると良く出てくるコムシやジムカデ、ゴミムシ類は稀。
それでも徹底的に探してやろうという気分でひたすら掘り、1m近く横に掘り進めると、白いモノが礫間から出てきた。


3齢幼虫
天塩山地初確認個体!!
これで天塩山地の分布が証明でき、分布域が拡がった。
この子が出てきたときの嬉しさと興奮は忘れられない。


6齢幼虫

この後、次々と幼虫が出てきて10個体ほど確認できた。
しかし成虫がなかなか出てこない。
できれば成虫のサンプルが欲しいので、残り体力を無視し予定時間を延長して探してみたが、結局成虫は掘り出せなかった。


今回の探索で、未分布地帯であった天塩山地からエゾガロアムシ生息を確認できた。
この成果は大きい(と思う)
成虫のサンプルは、蚊が少なくなった秋に再挑戦する予定。
天塩山地全域に分布しているのか、隣の増毛山地にも分布しているのかは今後の課題となる。

なんにせよ少し肩の荷が下り、一安心。
気が緩んで、病気にならないよう気をつけなければ・・・(ちなみに今、風邪気味)


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