エゾガロアムシは産地によって変異があり、これが地域変異なのか別種(または亜種)なのかを調べるため、本州産ガロアムシ各種のサンプルが参考資料として必要でした。
本当は本州まで行って生息環境確認も含め自ら採集したいところだが、連休をなかなか取ることができないわたしにとって無理難題・・・(日帰りはキツイです)
そんな中、昨年、交流のある本州在住の方から、本州産ガロアムシ各種のサンプルを頂けることになった。(アルコール液浸標本)
半ば諦めていた本州産各種の実物を拝めるとは、ホント嬉しい限りです。
余りにも嬉しいので、しばらくはサンプル瓶から眺めるだけで満足していましたが、さすがにそれではいけないので、瓶から取り出して確認してみることに。
まず簡単に本州産と北海道産を比較してみた。
左からオオガロアムシ♀Galloisiana kiyosawai、ガロアムシ♂Galloisiana nipponensis、ヒメガロアムシ♂Galloisiana yuasai
各種明らかに体長が異なり、前胸背部の形も微妙に異なる。
尾毛(尾肢)の節数は、オオガロア、ガロアは9節、ヒメガロアは8節。
体色にそれぞれ違いはあるが、ガロアムシは成虫になり時間が経つにつれ徐々に体色が暗くなるのでこれは問題ではない。(たぶん)
続いてエゾガロアムシ。
左から日高山脈産♀、夕張山地産♀、石狩山地産♂
エゾガロアムシは産地に関わらず、本州産各種と比べ、「ふ節」の幅が狭いのが特徴。
体長に関して本州産各種の違いとほぼ同じと言っていいが、前胸背部の形に違いが見られない。
尾毛(尾肢)の節数は、日高山脈産と夕張山地産は9節、石狩山地産も9節だが8節の個体もいるらしい。
本州産3種それぞれに顕著な体長の変異があるのなら、上のエゾガロアムシ3個体は地域変異であると納得できるのだが、それがなければ本州産3種は本当に種として区別されるのか疑問を感じてしまう。
なにか決定的な違いを見つけられればいいのだが、今のところ見つからない。
今はエゾガロアムシの地域変異で治まってはいるが、いずれ種に分かれる過程なのかもしれない。
もう少しサンプルを集めて調べてみないといけないかもしれません。
あと欲を言えばクロガロアムシ(仮)や四国産のチュウジョウムシ(仮)、対馬産のガロアムシも見てみたい。
↧
サンプル比較
↧