春はアケボノ。やうやう毛なくなりゆく殻際、少し明かりて、白だちたる雲の細くたなびきたる。
現代語訳:春はアケボノマイマイが良い。成長するにつれてだんだんと禿げてくる、その殻の辺りが少し明るくなって、白がかっている軟体が雲のように長くたなびいている様子が良い。
(もう訳わからん)
これが題材のアケボノマイマイ(褐色型)
このタイプは色彩的にも「侘び・寂び」があり、趣のあるタイプではないかと個人的には思う。
幼貝を採集し、飼育すること1年近く。下の白色型にサイズが追いつき、成長が落ち着いてきた。
そろそろ成貝か?
白色型
こちらは少し前から成長は落ち着いており、成貝に近い。
4ヶ月前は完品だったが、今は殻の毛を禿げ散らかしているのが残念。
写真を見ると、アケボノマイマイは褐色型も白色型も軟体の色に大きな差がない。
近似種(同種の説もある)ヒメマイマイのいろいろな産地の個体を観察すると、殻の色が濃くなるにつれ軟体の色も濃くなる傾向にある。(色帯の有無や太さは関係ない)
もちろん殻内部の軟体の色は少なからず反映しているが、殻自身も色を帯び同一ではない。
この傾向がアケボノマイマイにはない(?)のは興味深いが・・・はたして?
参考までに以下にヒメマイマイの色的に顕著な個体を選んでみた。
・・・なんか嫌味なくらい非標準的なヒメマイマイを使用しているが全て同種。
見ての通り、殻が白い個体は、軟体も白い。逆に殻が暗色だと軟体も暗色。
ただアケボノマイマイのサンプル個体が少ないので、本種全てがそのような傾向があると断言できないが、これがヒメマイマイとの違いのひとつであったら面白い。
そう言えば、うちで飼育しているマイマイ3種は全て殻に毛のあるタイプということに気付いた。(アケボノマイマイ・タカヒデマイマイ・アポイマイマイ)
頭髪が少なくなってきたわたしが毛に執着を持ち、無意識に集めたのだろうか?
↑ここ笑うところ。
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蝸牛草子(マイマイのそうし)
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