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Channel: 探索・採集・飼育みたいな雑記的記録
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似非ビーチコーミング

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いつか見たいと思っていたゾウムシが浜辺にいる。
今回、そのゾウムシを本格的に探してみることにした。


とある砂浜
環境は良く、ゴミや漂流物はそれほど多くはないが、打ち上げられた海草の塊が点々と散らばる。
人がほとんど通らないので、気持ちよく探索できた。


打ち上げられたアマモの塊。
アマモは海草だが、藻類ではなく種子植物で、熱帯魚水槽に入れるスクリューバネスネリアに見た目は似ている。(アマモの葉はねじれていないが)
このアマモ塊の下に目的のゾウムシは潜む。

アマモ塊をそ〜っと持ち上げて、下を確認。
アリの一種やケシガムシの一種、よく分からない半翅目の一種がわらわらとクモの子を散らすように動き回る。
他には・・・

ハマヒョウタンゴミムシダマシ
砂浜の漂着物下ではお馴染み。
個体数多い。


ホソハマベゴミムシダマシ
これもお馴染み。
ハマヒョウタンゴミムシダマシ程ではないが、これも個体数多い。

これらの虫たちが右往左往と動き回り翻弄されるが、しばらくすると散って数が減るので、それから丹念にアマモ下を探す。


ハマベゾウムシ
今回の目的はコレ。
4mmほどの小さなゾウムシで、幼虫・成虫ともにアマモを食べる。
ゾウムシの仲間なだけあって、動きは緩慢。
後翅は退化して飛ぶことはできない。本種のように後翅が退化しているゾウムシは珍しくない。
各地で生息数が減少中であり、県別RDBでは指定している県はあるものの環境省RDBや北海道RDBでは絶滅危惧種に指定されていない。


こちらは体色の異なるタイプ

アマモ下を確認し終えたら、次はアマモ塊を持ち上げて揺らし、落下物を再確認するとハマベゾウムシが落ちてくる。
ひと塊で2度オイシイ!
1つのアマモ塊に1〜3個体確認できたが、小さいので見逃した個体もありそう。

初めて確認するまで時間が掛かったが、直ぐにコツをつかめ、以後次々と見つけることができた。
アマモ塊はある程度量と厚みがあり、塊内と下が僅かに湿っていることが条件のようだ。
砂の下に潜っている個体もいるらしいが、これを探すのは効率が悪く、時間の無駄。
10個体確認したところで、探索終了。


帰宅して撮影会。
小さ過ぎて肉眼ではこのゾウムシの魅力は伝わらないので、カメラで拡大して細部を観察。


小さいゾウムシながら、実に興味深い造形美。
体は硬そうにみえるが、意外に軟らかい。

おまけ

イルカと思われる打ち上げられた死骸。
頻繁に見られるものではないので、珍虫が潜んでないかとワクワクして探したが、陳腐種ばかりでガッカリ。


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